2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J01951
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤原 良介 神戸大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 大腸菌 / ムコン酸 / 代謝工学 / 合成生物学 / グルコース / キシロース / バイオプロダクション / シキミ酸経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
ターゲットであるムコン酸(MA)の生産収率向上に向け、PMPE(Parallel Metabolic Pathway Engineering)と名付けた新たな代謝工学技術を開発した。PMPEは、2つの独立した代謝経路を“パラレル”に共存させ、それぞれの代謝系で異なる炭素源を利用する戦略である。PMPEの実現に向け、グルコースからTCAサイクルへの炭素供給を完全に遮断した。続いて、TCAサイクルへの炭素供給を補うために、Dahms経路を導入した。Dahms経路は、解糖系及びPP経路を経ることなくピルビン酸とグリオキシル酸を供給するキシロース異化経路である。この代謝改変によりグルコース由来の炭素をMA生産に利用し、キシロース由来の炭素をTCAサイクルで利用することで細胞増殖を行う、PMPE代謝系を設計した。PMPE代謝系を有する大腸菌代謝改変株(PMPE株)を構築し、最小培地で培養したところ、グルコース-キシロース混合糖を炭素源として増殖した。PMPE株にMA生産経路を導入し、グルコース-キシロース混合糖を炭素源として培養を行ったところ10 g/Lのグルコースから1.6 g/LのMAを産生し、対象株と比較して生産量が2.3倍、収率が2.6倍に向上した。また、メタボローム解析の結果、PMPE代謝系が設計通り機能していることが確認された。更に、培地の検討やpHの最適化を行ったところ、4.3 g/LのMAを生産し、消費グルコースに対するMA収率は0.31 g/gに達した。この収率はバッチ操作でのMA生産において世界最高値であり、PMPEが有効な戦略であることが示された。また、PMPEのMA以外の目的生産物への応用を検討した結果、L-チロシンや1,2-プロパンジオールの生産性を向上することに成功した。本成果はプレスリリースを始め新聞や海外メディアでも大きく取り上げられ、評価されている。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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