2018 Fiscal Year Annual Research Report
新たなレーザー分光法を用いた中性子過剰核32Naおよび32Mgの構造解明
Project/Area Number |
17J02034
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金谷 晋之介 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
|
Keywords | 不安定核 / レーザー分光 / 原子核構造 / 中性子非束縛状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、32Na基底状態と32Mg励起状態のスピン・パリティを含む詳細な構造を調べることである。32Naや32Mgの周辺の質量領域に位置する原子核は、従来の理解では球形であると予想されていたが、研究が進むに連れて基底状態や励起状態で変形していることが明らかになりつつあり、注目を集めている。この現象の原因を解明するには、中性子数の増加に伴う系統的な核構造研究を進める必要があるが、目的核の生成量は極めて少ない。本研究では、全く新しい視点から高効率な測定手法を確立する。 昨年度は、32Na基底状態の構造を調べるための超高感度レーザー分光システムを開発した。今年度は、32Mg励起状態、中でも中性子非束縛状態の構造を調べるための中性子検出器の開発を行った。32Mg励起状態を調べるには32Naのベータ崩壊を用いるが、その際、ベータ崩壊後に32Mgの中性子非束縛状態となって中性子を放出する分岐比が24%と大きい。ガンマ線やベータ線の測定だけでは決定不可能な中性子非束縛状態の準位構造を調べるには、ベータ遅発中性子の高精度かつ高効率測定は非常に重要である。問題点は低エネルギー領域(<1MeV)で検出信号が極めて微弱であるために検出効率が著しく低下する点であった。検出信号を高効率で得るため、小型でシンチレーション光の集光部の形状や反射材を最適化したプラスチック・シンチレータを中性子検出器として6台新たに開発し、ベータ遅発中性子線源として17Nを用いたテスト実験を行った結果、380keVの低エネルギー中性子に対して従来比約5倍の検出効率を得ることに成功した。また、詳細な中性子検出モンテカルロ・シミュレーションを行った結果、これまでの中性子測定で見過ごされてきた周囲の中性子散乱体による測定結果への影響を明らかにするなど、ようやく本測定を行う準備が整った。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)