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2017 Fiscal Year Annual Research Report

A study on selectivity of spawning ground and vegetation on pacific herring

Research Project

Project/Area Number 17J02165
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

富安 信  北海道大学, 大学院環境科学院, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2017-04-26 – 2019-03-31
Keywordsニシン / 産卵回遊 / 産卵場 / 産卵床選択性 / 超音波テレメトリー / バイオロギング
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,ニシン親魚が自然下でどのように産卵床や産卵場を選択するのかを明らかにすることを目的に,平成29年度中「飼育下でのニシンの産卵特性実験」と「野外でのニシンの産卵回遊調査」に取り組んだ.
「飼育下でのニシンの産卵特性実験」では,特にニシンの産卵床の選択性について飼育実験を通して検討し,個体が人工海藻を有意に選択して産卵行動を行うことを明らかにした.一方で,過去の実験での産卵と比較すると,産卵に参加する個体数や産卵場・産卵床の規模によってはその選択性が変化するものと推察された.また本実験では,ニシンの産卵行動をデータロガーの深度データ上で分類することにも成功し,野外環境での産卵行動の検出にも可能性を見出すことができた.
「野外でのニシンの産卵回遊調査」では,厚岸湾・厚岸湖に産卵回遊するニシンにデータロガーまたは音響ピンガーを装着し放流することで,その回遊を追跡した.平均約3日,最大約3週間の追跡によって,個体の「湾での滞在」,「湖への移動」,および「沖の大黒島,小島までの移動」が見られた.これらの回遊の移動速度,遊泳深度の特性はそれぞれ異なり,個体は成熟度の進行に応じて優先する行動を変化させているものと考えられた.また追跡個体の移動地点とニシン卵・仔稚魚の分布から,本個体群の主な産卵場は厚岸湖の沿岸域であることが明らかになった.こうした傾向は,現地での漁業活動・ニシンの再生産双方にとって非常に有益な情報となった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

平成29年度中は,当初の計画通りの「飼育下でのニシンの産卵特性実験」と,翌年度開始予定であった「野外でのニシンの産卵回遊調査」に取り組むことができた.特に前者では,ニシンが漁網や人工構造物に比べて人工海藻に有意な選択性を持つことを明らかにし,当初計画した目的を達成することができた.また産卵行動をデータロガーのデータ上で分類することにも成功したことは,さらなる成果として野外での産卵行動の検出にも可能性を見出した.
後者では,野外環境でのニシン親魚の回遊を追跡し,個体が成熟度の進行具合によって水平・鉛直的に回遊特性を変化させることが明らかになった.また追跡個体の移動地点とニシン卵・仔稚魚の分布から,本個体群の主な産卵場は厚岸湖の沿岸域であることが明らかになり,本調査目的の核となる知見を得ることができた.またこうした知見は,現地での漁業活動・ニシンの再生産双方にとって非常に有益な情報となり,調査の成果報告会には40人もの漁業者・関係者が参加するなど,現地に大きな貢献をした.
また本年度中には,英文誌1報の報告を始め,国際学会・シンポジウムでの発表2件,国内学会・セミナーでの発表4件を行っており,年度中の成果還元にも積極的に取り組んできた.これらの成果からも,現在までの研究の進捗状況は当初の計画以上に進展していると評価できる.

Strategy for Future Research Activity

本研究課題においては,大きな目的としていた「ニシン親魚の産卵床・産卵場選択性の検証」の大筋を達成することができた.今後は,「他海域との比較による行動情報のモデル化」および「産卵保護のための発展的な取り組み」について実施していく予定である.
前者では,主なニシンの漁獲地(石狩,厚岸,網走)における既存の環境情報や藻場の繁茂状況を調べ,本研究における親魚の行動傾向と比較することで,各地での産卵に言及する行動予測モデルの作成を試みる.
後者では,自然産卵の効果的な保護のために,人工海藻や漁網への産卵をニシンの初期加入へ活用していく取り組みを実施していく予定である.

  • Research Products

    (8 results)

All 2018 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (7 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results,  Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Tracking migration of Pacific herring Clupea pallasii in a coastal spawning ground using acoustic telemetry2017

    • Author(s)
      Tomiyasu Makoto、Shirakawa Hokuto、Iino Yuki、Miyashita Kazushi
    • Journal Title

      Fisheries Science

      Volume: 84 Pages: 79~89

    • DOI

      doi.org/10.1007/s12562-017-1153-6

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Tracking migration of pacific herring Clupea pallasii that spawns in eelgrass beds using bio-logging system2018

    • Author(s)
      Makoto Tomiyasu and Kazushi Miyashita
    • Organizer
      International symposium of promotion of global network studies on seagrass ecosystem based on innovative new technology
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] フィールドへの展開 (1)ニシン2018

    • Author(s)
      富安信
    • Organizer
      2018年度水産海洋シンポジウム「データ高回収率を実現するバイオロギング・システムの構築-魚類の個体群・群集ダイナミクス解明に挑む-」
  • [Presentation] 2017年度産卵期ニシン行動追跡調査結果報告2018

    • Author(s)
      富安信,宮下和士
    • Organizer
      2018 厚岸サンセットセミナー
  • [Presentation] 2017年度産卵期ニシン行動追跡調査結果報告2018

    • Author(s)
      富安信,宮下和士
    • Organizer
      厚岸ニシン調査漁業者説明会
  • [Presentation] 3-dimensional migration dynamics of Pacific herring Clupea pallasii from pre- to post spawning in a coastal spawning ground2017

    • Author(s)
      Makoto Tomiyasu, Hokuto Shirakawa, Masahiro Ogawa, Daichi Oshiyama, Yuki Iino and kazushi Miyashita
    • Organizer
      7th International Symposium on GIS/Spatial Analyses in Fishery and Aquatic Science 2017
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 厚岸ニシンはいつ・どこで・どんな回遊, 産卵をするのか?~バイオロギング・バイオテレメトリーによる回遊追跡~2017

    • Author(s)
      富安信
    • Organizer
      日本生態学会北海道地区会共催 道東森里海連環シンポジウム 2017
  • [Presentation] ニシンの群れの特性と個体の遊泳行動との比較による群れ構造の評価2017

    • Author(s)
      飯野佑樹, 富安 信, 白川北斗, 宮下和士
    • Organizer
      平成29年度日本水産学会春季大会 2017

URL: 

Published: 2018-12-17  

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