2018 Fiscal Year Annual Research Report
流体物理洗浄における付着粒子のはく離メカニズムに関する数値シミュレーション
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17J02211
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
近藤 智貴 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 混相流 / 数値流体力学 / 気泡崩壊 / 液滴衝突 / 壁面せん断流 / 物理洗浄 / 粒子はく離 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に従い,超音波洗浄技術においてキャビテーションが物理洗浄メカニズムへもたらす寄与を議論した.特に,壁近傍に初生した気泡が非球形崩壊する際のマイクロジェットおよび壁面せん断流の形成に着目した.本研究ではキャビテーション気泡群を微視的に観察する必要があるため,単一気泡ならびに2気泡の崩壊について数値シミュレーションを行った. 物理モデル構築にあたり,対象は慣性および圧縮性が支配的なため,気液の流れ場を同時に解くことが重要である.さらに粘性の影響を正確に考慮することが本研究の遂行にあたっては不可欠である.よって圧縮性ナビエ・ストークス方程式の多相流モデルが支配方程式となる.解析領域は全て3次元にて行った.多相流モデルでは気泡のボイド率の移流を解くことで気液界面を捕獲するが,気泡崩壊過程では界面数値拡散が深刻となるため,体積弾性率に基づく補正項を導入した. 数値モデルとしてハイブリッド型の衝撃波界面捕獲法を採用した.すなわち圧力・ボイド率の不連続的な変化が生じる領域でのみ5次精度WENO法を用い,変化が滑らかな領域では4次精度中心差分を行った. 結果として,単一気泡崩壊について壁方向に向かうマイクロジェットの形成を数値的に確認した.それには強い壁面せん断応力の発達が付随することも確認した.この壁面せん断応力は気泡壁面間距離をパラメータとした際,距離の増加に伴って指数関数的に減衰した.一方,壁に対して水平に隣接する2気泡の崩壊では,マイクロジェットは他方の気泡に引き寄せられ,壁に対する直接衝突が妨げられた.そのため壁面せん断応力は単一気泡のケースと比較して半分以下に減衰した.実現象としてキャビテーションは無数の気泡群を伴うことから,気泡間相互干渉によって壁面せん断流の形成が阻害されるという知見はきわめて有意義である.
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)