2017 Fiscal Year Annual Research Report
両親媒性ヘリセンオリゴマーの合成、二重ラセン高次集合体形成とマクロ運動機能発現
Project/Area Number |
17J02496
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 東史 東北大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | ヘリセン / ヘテロ二重ラセン / 自己組織化 / 異方性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は(1)ヘリセンオリゴマー誘導体を合成して水系溶媒中での構造変化を系統的に調べ,水系環境下での動的性質について理解を深める.(2)アンチフリーズ(AF)タンパク分子のように結晶化・凝集を阻害する機能を開発する.(3)異方的集合システムを構築し,二重ラセン-ランダムコイル構造変化に伴う分子長変化を増幅することで,運動機能性物質の基礎となる方法論を開発することを目的とする.本年度は(3)について研究を行った.異方性物質は等方性物質と大きく異なる機械的あるいは光学的機能などを示すことから,精密に制御する合成法の開発は重要である.本研究では生物に見られるような構造の明確で単分散の有機化合物の自己組織化による異方性物質の合成を研究した. 末端部をC16アルキル基で修飾したエチニルヘリセン四量体を合成し,擬鏡像異性体エチニルヘリセン五量体とトルエン中モル比1:1で混合すると,低濃度ではヘテロ二重ラセンを形成し,高濃度では自己組織化によってゲルを与えた.後者は異方性のリオトロピック液晶ゲルであった.このリオトロピック液晶ゲルをガラス基板上で濃縮すると規則的な縞模様の異方的構造を有する薄膜を与えた.また,数mmの領域において,均一な異方的ドメインを与えた.濃縮するに当たって,スピンコートを行ったところ曲線状の縞模様を有する薄膜を与えた.また,液晶を貧溶媒であるメタノール中に射出すると,異方的な繊維を与えた. また,末端部をトリエチレングリコール部で修飾した両親媒性エチニルヘリセン四量体およびトリエチレングリコール部を有する擬鏡像異性体五量体をジオキサン/水混合溶媒中で混合すると自己集合ゲルを与え,これをガラス基板上で濃縮することで異方性フィルムを与えた. これらの成果は,水系環境中での運動機能性物質を開発する上で基盤となる重要な結果である.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(3 results)