2017 Fiscal Year Annual Research Report
ミラーシステムの活動向上は他者感情知覚時の反応を変化させるか?
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17J02763
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池田 悠稀 九州大学, 統合新領域学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | ニューロフィードバック / ミラーシステム / 共感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は感情知覚時の脳内ミラーシステム活動の役割について明らかにすることを目的とし、ニューロフィードバック訓練を用いてミラーシステムの活動を変化させることで、どのように他者の表情知覚が変化するか調べることとした。 本年度はミラーシステムの活動を変化させるための、ニューロフィードバック訓練の構築及び2度の予備実験を行った。一度目は実験参加者9名に対し、訓練システムの試運転を行い、目的とする脳波指標がフィードバックできているかどうかの確認を行った。フィードバックする値が脳波の他の成分の影響を受けていないか、相互相関関数を用いて検証した。その結果、フィードバックに使用する閾値レベルの設定などに問題点が見つかった。 二度目の予備実験では、改良した訓練システムの使用感の確認及び、訓練効果の確認を行った。実験参加者5名に対して実験を行い、訓練前後の脳波データを比較することで1名ずつの訓練効果を確認した。その結果、訓練の効果にはかなり個人差があり、より一定の効果を得るためにはさらに訓練プロトロルの改善が必要であることが分かった。 一度目の予備実験に関しては国際学会 (2017 Symposium of the Society for the Study of Human Biology & International Association of Physiological Anthropology)で発表を行った。次年度は、改良した訓練を用いた実験を行い、フィードバックの効果を確認すると同時に、ミラーシステムの活動と行動の変化に関しても検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はニューロフィードバック訓練の構築を重点的に行った。予備実験によって、訓練システムの精度の数値的評価や、使用感の評価に基づいたプロトコルの改善案を得ることができた。しかし、訓練システムの信頼性確保のための実験を複数行い、当初の予定からは遅れが生じている。よって、「やや遅れている」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に構築した訓練システムを使用して本実験を開始する。実験では、フィードバック訓練前後でのミラーシステムの活動変化を調べる。得られた結果は学会発表を行い、国際専門誌にも投稿する予定である。
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Research Products
(2 results)