2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J03270
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 実紀 九州大学, 大学院システム生命科学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 胎仔精巣 / ライディッヒ細胞 / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、胎仔精巣で男性ホルモン産生を担う胎仔ライディッヒ細胞の分化機構を明らかにすることを目的としている。これまでにEGFP強陽性の胎仔ライディッヒ細胞と同時に、胎仔ライディッヒ細胞へ分化するEGFP弱陽性細胞を調製した。しかしながら、分化のポテンシャルを有する細胞はEGFP弱陽性細胞の一部であり、この細胞集団は前駆細胞を含むヘテロな細胞種からなると推測された。そこで、EGFP強陽性細胞とEGFP弱陽性細胞の一細胞トランスクリプトームを取得した。個々の細胞における高発現遺伝子を指標に階層的クラスタリング解析を行った結果、EGFP弱陽性細胞を3つの細胞集団(A・B・C)に、またEGFP強陽性の胎仔ライディッヒ細胞を2つの細胞集団(D・E)に分離することができた。集団Dは集団Eに比べ男性ホルモン合成に関わる遺伝子の発現が低いことから、集団Eは分化した胎仔ライディッヒ細胞、集団Dは分化途中の細胞であることが示唆された。一方、集団Cは男性ホルモン産生に関わる遺伝子の発現は低いものの、胎仔ライディッヒ細胞で発現が上昇する解糖系遺伝子の発現が亢進していた。以上の結果をもとに、集団Cが胎仔ライディッヒ前駆細胞である可能性を想定し、この集団で高発現する複数の遺伝子を同定した。その中の一つであるTmsb10に着目し、EGFP弱陽性細胞で機能喪失実験を行った。siRNAを導入した細胞をライディッヒ細胞の分化を誘導するin vitroの精巣再構築系に供したところ、EGFP強陽性のライディッヒ細胞は出現せず、これらの細胞は胎仔ライディッヒ細胞へ分化する能力を失った。Tmsb10の機能には不明な点が多いが、この遺伝子がライディッヒ細胞の分化を促進するヘッジホッグシグナルの下流に位置する結果を得ており、Tmsb10の機能に着目し、胎仔ライディッヒ細胞の分化機構の解明に向けて研究を継続している。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)