2018 Fiscal Year Annual Research Report
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17J03330
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
柏 祐太郎 和歌山大学, システム工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | High Impact Bug / 予測手法 / ソフトウェア保守 / オープンソースソフトウェア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,ユーザや開発プロセスに直接的に重大な影響を及ぼす不具合 (High Impact Bug) の検出手法の構築を目的としている.本研究課題では,次の6つの研究(①『影響の大きい不具合に関する実証的調査』,②『開発者へのインタビューによる重大な不具合の調査』,③『調査結果の取り纏めと体系化』,④『重大な影響を及ぼす不具合の検出手法の構築』,⑤『有用性評価』,⑥『開発現場への適用による実用性の評価』)について取り組んでいる.平成30年度では,昨年度に実施した①「High Impact Bugの特徴」において,ソフトウェア開発データの分析および実務開発者にインタビュー調査の結果を元に,上記の6つの研究のうち,研究④『重大な影響を及ぼす不具合の検出手法の構築』に計画通り研究に取り組んだ.実施した内容を下記に示す. (1)予測モデル構築・評価のためのメトリクスデータ収集 予測モデル構築・評価のために,High Impact Bugに該当する不具合および,High Impact Bugに該当しない不具合票のデータをインターネット上に公開されているサーバーから収集した.また,それらの不具合を修正するためのパッチプログラムおよび不具合修正活動履歴データを同様に収集した.これらのデータを整形し,予測に有用となる様々なメトリクスを計測した. (2)予測モデルの構築・評価 まず予測モデルを構築するために予測アルゴリズムの調査および選定をおこない,Random Forest アルゴリズムを予測アルゴリズムとして選定した.次に,不具合ごとのメトリクスとHigh Impact Bugであるか否かのラベルを入力として,Random Forest アルゴリズムに学習させた.評価実験の結果,約70%の精度(ROC-AUC)で予測を行うことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り実施できているため.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度では,以下を実施する予定である. ⑤『有用性評価』 本年度で構築した予測モデルをバグトリアージ手法に組込み込んだ手法を構築し,予測モデルの有無で有用性を評価する実験を行う.具体的には,重大な影響を及ぼす不具合を予測するモデルを取り込んだ場合とそうでない場合の比較を通じて,重大な影響を及ぼす不具合が優秀な開発者に割当てられているかを確認する. ⑥『開発現場への適用による実用性の評価』 評価だけでは実用性の観点からは不十分なため,OSSプロジェクトおよび企業において構築する検出手法および検出手法を組込んだバグトリアージ手法を利用してもらい,実用性を検証する.
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