2017 Fiscal Year Annual Research Report
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17J03602
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 英祐 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | ビセリングビアサイド / ビセリングビオライド / 構造活性相関 / マラリア / カルシウムイオンポンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
海洋シアノバクテリア由来のマクトリド配糖体ビセリングビアサイド(BLS)とそのアグリコンであるビセリングビオライドB(BLLB)の人工類縁体を用いた、新規カルシウムイオンポンプの阻害剤の開発を目的に研究を行った。カルシウムイオンポンプとして、これまでにBLS類が阻害すると判明しているSERCAと類似性が高く、マラリア原虫が持っているタンパク質であるPfATP6をターゲットとした。PfATP6はマラリア治療薬のターゲットとして期待されており、BLS類の人工類縁体がPfATP6を阻害することができればマラリア原虫に対する毒性を発揮できるものと考えた。 新規人工類縁体の設計を行うために、まずホモロジーモデリングの手法を用いてPfATP6の構造を導いた。その結果、BLS類の側鎖部分に親水性官能基を導入することで、PfATP6への親和性向上を見込むことができた。さらに、親水性置換基の導入はSERCAへの親和性を減少させ、ヒトの細胞に対する毒性を低減できると考えた。 以上の考察を踏まえて、BLS類の人工類縁体を設計、合成した。設計にあたっては、糖部分を持たず合成の簡単なBLLBをテンプレートとし、これまでに確立したBLLB全合成のルートを利用することで、効率良く人工類縁体を合成できた。最後に、得られた人工類縁体(3種)の抗マラリア活性とヒトの細胞に対する毒性を評価した。当初の計画通り、側鎖に親水性置換基を導入した類縁体のヒトの細胞に対する細胞毒性は大幅に減少した。その一方で、親水性置換基導入による抗マラリア活性は向上しなかった。 今後は、他の親水性置換基を導入した人工類縁体を合成し、構造活性相関研究を進めるとともに、糖部分の生物活性に対する影響も調査していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに確立した全合成ルートを利用することで、ビセリングビオライドBの人工類縁体を合成することができ、新たな類縁体合成における基盤ができた。また、ビセリングビアサイド類の側鎖部分を改変することで、生物活性が大幅に変化したことから、側鎖部分の生物活性に対する寄与を示すことができた。特に、新規薬剤リード開発における問題点であったヒトの細胞に対する毒性を低減することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、ビセリングビアサイドおよびビセリングビオライドBの人工類縁体を合成し、それらの生物活性を評価することで構造活性相関研究を行う。 今後は、シュレディンガー社のGlideを用いたドッキングシミュレーションを活用することで、PfATP6に対する親和性の高い人工類縁体を設計し合成する。また、ビセリングビアサイド類の糖部分を改変した人工類縁体を合成することで、構造活性相関研究を行い、糖部分の生物活性への寄与を調査する。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Total Synthesis and Biological Evaluations of Biselyngbyasides2017
Author(s)
Eisuke Sato, Miho Sato, Yurika Tanabe, Naoya Nakajima, Akifumi Ohkubo, Masato Iwatsuki, Haruo Ogawa, Chikashi Toyoshima, Maho Morita, Arihiro Iwasaki, Kiyotake Suenaga
Organizer
日本化学会第98春季年会