2018 Fiscal Year Annual Research Report
有機半導体と金属錯体からなる可視光駆動型二酸化炭素還元光触媒系の創製
Project/Area Number |
17J03705
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
栗木 亮 東京工業大学, 理学院, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
|
Keywords | 光触媒 / 二酸化炭素還元 / カーボンナイトライド / 金属錯体 / 水中 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では有機半導体(C3N4)と金属錯体を融合したCO2還元光触媒系の発展を目指して研究を進めてきた。平成30年度以前の先行研究において、我々はC3N4とルテニウム錯体を融合した高効率なCO2還元光触媒系の構築に成功してきた。本反応は、C3N4の光励起後のキャリア(特に電子)がルテニウム錯体へと移動することで反応が進行すると考えられている。しかしながら、C3N4の光励起キャリアダイナミクス、およびルテニウム錯体への電子移動過程は観測されておらず、またその観測手法も確立されていなかった。 そこで、本年度は種々の「分光測定」を駆使することでこれらを明らかにすることを目指した。特に、過渡発光測定と過渡吸収測定を組み合わせることで、C3N4からルテニウム錯体への電子移動はピコ秒オーダーという非常に速い時定数で進行していることを初めて明らかとした。 また、一連の研究で用いてきたC3N4の吸収端は約 450 nm と比較的短波長側に存在する。そのため、太陽光の利用といった観点では、450 nm以上のより長波長の光(近赤外光)を利用できる材料の開発も重要な課題となる。そこで本年度は、広域可視光応答が可能なカーボンナイトライドを合成してルテニウム錯体触媒と組み合わせることで、吸収領域を拡大させた光触媒系の構築も行なった。一方、将来的な本系の発展のためにはルテニウムという貴金属を用いない系へと展開することも重要な課題となる。そこで、本年度では共同研究の一環として、C3N4 に Fe 錯体を混合させることで、ルテニウム錯体と同程度の効率でCO2 還元反応が駆動できることを実証した。 このように、平成30年度では、従来までに我々が構築した系において、分光的な側面による詳細な評価を行うのみならず、「広域化可視光の利用」、「貴金属を用いない系への展開」といった従来系の高機能化にも成功した。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(8 results)