2018 Fiscal Year Annual Research Report
疾患特異的iPS細胞より作出したヒト脳スフェロイドを用いた神経発達障害の病理解析
Project/Area Number |
17J04183
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小高 陽樹 熊本大学, 発生医学研究所, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
|
Keywords | iPS細胞 / 神経細胞 / オルガノイド / シアリドーシス / ライソゾーム病 / リソソーム病 / シナプス障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果から、シアリドーシス疾患iPS細胞由来神経細胞では、プレシナプスの開口放出障害が生じることが示されている。この障害の分子的機序を解析するため、神経細胞から単離したシナプス画分(シナプトソーム)のプロテオーム解析を実施し、健常群と疾患群で発現が変動しているタンパク質を同定した。興味深いことに、疾患群で発現が減少していたタンパク質群には、シナプス小胞の輸送に関連するタンパク質が多く含まれていた。このことは、疾患群においてシナプス小胞の開口放出障害が生じていることとよく一致している。また、グルコースからのATP産生に必要な酵素群の発現が、疾患群において減少していることを見出した。このことは、シナプスにおけるATP産生が減弱している可能性を示唆している。今後、シナプスのATP代謝とプレシナプス機能障害との関連をさらに解析したい。 シアリドーシスは、NEU1遺伝子の変異によりその酵素活性が減少することで生じる疾患である。そこで、正常型のNEU1を遺伝子導入することで、疾患細胞における表現型異常が改善するか、検証を行った。NEU1の遺伝子導入は、疾患細胞におけるNEU1酵素活性を健常者レベルと同程度まで回復させた。また、疾患細胞におけるNEU1酵素の分解基質(シアリル糖鎖)とリソソームマーカー分子の過発現を低下させた。さらに、疾患神経細胞のシナプス機能障害を改善した。以上の結果から、これまでの研究により示された疾患神経系細胞の表現型異常は、NEU1酵素の活性低下により生じることが確かめられた。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
-
[Journal Article] Basic fibroblast growth factor increased glucocorticoid receptors in cortical neurons through MAP kinase pathway2018
Author(s)
Tadahiro Numakawa, Haruki Odaka, Naoki Adachi, Shuichi Chiba, Yoshiko Ooshima, Hitomi Matsuno, Shingo Nakajima, Aya Yoshimura, Kazuhiro Fumimoto, Yohei Hirai, Hiroshi Kunugi.
-
Journal Title
Neurochemistry International
Volume: 118
Pages: 217-224
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-