2019 Fiscal Year Annual Research Report
Revealing evolutionary pathways from disk- to elliptical galaxies with ALMA
Project/Area Number |
17J04449
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
但木 謙一 国立天文台, アルマプロジェクト, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 銀河天文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の究極的な目的は、遠方宇宙にある楕円銀河の祖先となるような銀河を観測し、どのようにして楕円銀河へと進化するのかを解き明かすことである。今年度も前年度に引き続きアルマ望遠鏡を用いて、赤方偏移4.3(およそ120億年前に相当)の時代にある爆発的な星形成活動を伴う銀河の観測を行い、その解析・論文発表を行なった。研究成果としては筆頭著者として2本の論文を出版することできた。
1本目の論文では、赤方偏移4.3にあるサブミリ波銀河『COSMOS-AzTEC-1』に対して、アルマを用いて炭素・窒素・酸素の3つの輝線放射の観測を新たに行なった。空間分解能は0.3秒角であり、楕円銀河のバルジ領域のサイズに相当する。炭素の放射領域は窒素の放射領域よりも若干広がっていたが、その運動的特徴は一致しており、この銀河は回転運動が卓越した円盤をもっていることを改めて確認することができた。観測された窒素の放射強度と酸素の放射強度を比較することで、電離ガスの金属量を推定することができ、120億年前であるのにも関わらず、その金属量は近傍銀河と同程度であることが新たにわかった。
2本目の論文では、同じく『COSMOS-AzTEC-1』に対する、アルマを用いた炭素の観測データを用いた詳細な運動学的性質の研究を行なった。炭素放射の大部分は回転運動が卓越した円盤で特徴づけられる一方で、観測データから回転円盤モデルを差し引いた残差マップで、2つのサブコンポーネントを検出した。そのうちの1つは円盤と一緒に共回転しており、円盤ガスの重力不安定によって形成されたクランプと解釈することができるが、もう1つは円盤と独立した運動を示しており、このガスは外的な起源を持つと結論づけた。小さなガスの塊もしくは銀河がCOSMOS-AzTEC-1に落ち込み、これが爆発的な星形成の引き金になったと考えられる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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