2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J04925
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
塚田 陽平 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | がん微小環境 / 腫瘍血管 / PDX / 生体イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究室では、腫瘍血管正常化により、抗がん剤の送達向上や抗腫瘍効果を高めるなど、がん治療における腫瘍血管制御の重要性を報告してきた(Takara K., Eino D. et al., 2017) 。基礎研究により得られた知見を、がん治療に応用するために、基礎研究と臨床を繋ぐヒト腫瘍血管の動物モデルの必要性が求められている。そこで本研究では、腫瘍血管を制御する薬剤開発を目的とした、患者由来腫瘍を用いたヒト腫瘍血管の動物モデルの作製を行った。本年度得られた成果は以下の通りである。 ①マウス肺がん細胞株LLCの皮下ドナーマウス腫瘍を、観察窓を装着したレシピエントマウスに移植し、観察窓を通してドナー腫瘍血管を観察できるか検討した。観察窓内を蛍光顕微鏡にて観察し、ドナー腫瘍血管の伸長および還流が確認された。 ②ドナー腫瘍由来の細胞がレシピエントマウスに生着したかを確認するための蛍光標識の検討を行った。細胞の蛍光標識の検討により、全がん細胞中の10%を蛍光標識することができた。 ③ドナーマウス腫瘍血管を観察可能であったので、ヒト腫瘍血管が観察可能かの検討を行った。膵がん組織は入手困難かつ血管が少ないとされているため、手術頻度が多く入手が比較的簡単かつ血管が豊富と考えられる大腸がん組織での検討を行った。医薬基盤・健康・栄養研究所のヒト組織バンクより分譲していただいた大腸がん組織をNOD-SCID免疫不全マウスに移植し、Alexa Fluor 488標識化抗ヒト血管内皮細胞マーカーCD31抗体の静脈内投与を行ったところ、灌流のあるヒト腫瘍血管を観察することが可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、ドナーマウス腫瘍を野生型のレシピエントマウスに移植するモデルにて、腫瘍内の全血管中の50%以上がドナー由来の腫瘍血管になるような移植条件の探索を目的としていた。回収した腫瘍の蛍光免疫染色を行ったところ、ドナー腫瘍血管の移植効率がレシピエント間でばらつきが大きく、実験モデルとして適さないと考えた。そこで、観察窓を用いた同一マウスを複数日数にわたって観察する蛍光生体イメージングの実験モデルを用いることにした。次年度以降に、ドナー腫瘍の移植条件の検討や観察手法の改善が必要だと考えられる。一方、次年度以降に計画していたがん患者由来腫瘍を免疫不全マウスに移植する実験を行い、ヒト腫瘍血管を観察することに成功している。 以上の結果を総合的に判断して、当初の研究目的の達成度としておおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス腫瘍を用いて、ドナー由来腫瘍血管のレシピエントマウスへの生着率を向上させる条件の検討を進める。同時に、患者由来腫瘍を用いた検討では、ヒトがん細胞やヒト腫瘍血管の生着率を向上させる方法の検討をする。
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Research Products
(4 results)