2018 Fiscal Year Annual Research Report
臓器透明化技術と多光子励起顕微鏡を用いた心血管疾患の三次元病態解析
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17J05193
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 隆行 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 臓器透明化技術 / 多光子励起顕微鏡 / 心不全 / 肺高血圧症 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) マウス心筋症モデルの心筋内微小血管障害メカニズムの解明 前年度報告した、圧負荷心不全モデルマウスにおける微小血管同士の吻合や架橋構造の増加を初めとした微小血管リモデリングの描出に加え、マクロファージの描出を行った。対照群では炎症細胞は細長い直線状の形態をしており、微小血管に沿うように散在していたが、圧負荷心不全モデルマウスでは炎症細胞の増加を認め、さらに微小血管吻合や架橋構造に沿うようにして、マクロファージが枝分かれして形態変化する様子を捉えることに成功した。圧負荷心不全モデルマウスにおいて、微小血管リモデリングに炎症細胞が密接に関係している可能性を示唆する所見であった。
(2) 肺高血圧症における肺血管新生メカニズムの解明 ①低酸素負荷モデルマウス、②低酸素負荷+VEGF受容体阻害薬(Sugen)投与モデルマウス、③Alk1ヘテロノックアウトマウスの三種類の肺高血圧症モデルマウスについて、三次元的血管形態評価を行った。まず血管平滑筋形態については、①低酸素負荷、③Alkヘテロノックアウトマウスでは、正常群と比較して肺末梢方向への血管平滑筋の著明な増生を認めたが、②低酸素負荷+Sugen投与モデルマウスでは中枢側の血管平滑筋増生は認めるものの、末梢方向への増生は乏しかった。次に血管内皮形態については、①低酸素負荷モデルマウスでは末梢方向への血管新生を認めるが、②低酸素負荷+Sugenモデルマウスでは認めないという結果であった。①低酸素負荷モデルマウスと比較して②低酸素負荷+Sugenモデルマウスが、より重症であることは既知の事実であるが、今回の検討より肺末梢方向への血管新生は肺高血圧症の代償として働いており、②低酸素負荷+Sugenモデルマウスではそれを阻害することにより肺血管床の低下を引き起こし、肺高血圧症を悪化させる、というメカニズムが示唆された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)