2019 Fiscal Year Annual Research Report
核小体の完全性を保証する新たなストレス応答機構の解明とがん治療への応用
Project/Area Number |
17J05291
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
川畑 拓斗 鹿児島大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 核小体ストレス応答 / リボソーム蛋白質 / 細胞分裂 / P53 / RPL11 / M期阻害剤 / 細胞分裂監視機構 / がん治療戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞核内に存在する核小体はリボソームを構築する場であり、核小体の機能維持は、適切なタンパク質合成に必須である。近年、リボソームの構成因子であるリボソーム蛋白質 (RP) を仲介して、核小体ストレス (rRNA合成の阻害、rRNAプロセシングの阻害、およびリボソームサブユニットの会合阻害) による癌抑制因子P53の活性化が誘導されることが分かってきた。しかし、この核小体ストレスに対する応答 (核小体ストレス応答) の生体内ダイナミクスは未だ明らかになっていない。 我々は、この核小体ストレス応答で起こるRPL11とMDM2の分子間結合に着目し、タンパク質間の相互作用を蛍光輝点として検出可能なFluoppi (Fluorescent based technology detecting Protein-Protein Interaction) 法を用いて、核小体ストレス応答を簡易的に検出できる蛍光レポーターシステムを構築した。この蛍光レポーターシステムを用いることで、分裂異常を起こした癌細胞では、核小体ストレス応答が誘導されることを明らかにした。 今回、我々は癌細胞に加え、正常細胞においても、分裂異常が起こると核小体ストレス応答が引き起こされ、増殖が抑制される可能性を示した。分裂異常はゲノムの不安定性を引き起こし、癌の発生につながることが知られている。本研究により、核小体ストレス応答は、細胞分裂の異常を監視し、癌化を抑制するための重要なストレス応答機構であると考えられた。 上記の研究に加え、核小体ストレス応答の制御因子であるRPL11の発現は胃癌の5-fluorouracilに対する治療感受性に関与することを、Kaplan-Meier plotterを用いた生存時間解析やin vitro実験によって明らかにし、その結果を論文にまとめた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Identification of Ribosomal Protein L11 as a Novel Biomarker of 5-FU Sensitivity for Gastric Cancer2019
Author(s)
Takuto Kawahata, Kohichi Kawahara, Michiko Shimokawa, Akie Sakiyama, Takehiro Shiraishi, Kentaro Minami, Masatatsu Yamamoto, Yoshinari Shinsato, Kazunari Arima, Toshiyuki Hamada, Tatsuhiko Furukawa
Organizer
6th International Conference on Biochemistry and Molecular Biology
Int'l Joint Research
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