2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study of inactivation mechanism of heat-denatured lysozyme against norovirus
Project/Area Number |
17J05482
|
Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
高橋 迪子 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
|
Keywords | ノロウイルス / A型肝炎ウイルス / リゾチーム / 食品衛生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では加熱変性リゾチームによるウイルス不活化機構の解明と、応用性の検討の2課題を並行して進めている。初年度は加熱変性リゾチームの応用性検討に関して、まとまった成果が得られた。 特筆すべき成果は、加熱変性リゾチームがノロウイルス以外のウイルスに対しても不活化効果を示すことを実証したことである。A型肝炎ウイルスは食水系感染症ウイルスであり、近年ベリー類による感染事例が世界で頻発している。本課題では加熱変性リゾチームがA型肝炎ウイルスに対しても不活化効果を示し、A型可燃ウイルスで汚染されたベリー類の洗浄に応用可能であることを明らかにした。本成果は国際誌に掲載されている(Takahashi et al., Int. J. Food Microbiol, 266:104-108, 2018)。 2年目にあたる本年度は、加熱変性リゾチームによるウイルス不活化機構の解明を重点的に進めていく予定である。現在までに、加熱変性リゾチームがノロウイルスに対して不活化効果を示す条件は精査されているが、不活化条件下での加熱変性リゾチームとノロウイルスの相互作用や、加熱変性リゾチームにおける不活化作用部位を明らかにするための検証を進めていく予定である。 あわせて、加熱変性リゾチームをノロウイルス食中毒の主な感染源となる水産物に応用するための検証も行う。リゾチームは塩基性タンパクであるため、海水などの塩を含む溶液中では白濁・凝集し、食品の外観を損なうという問題点がある。本年度は加熱変性リゾチームの凝集性を解消し、水産物の洗浄等に利用可能な製剤開発を目指す。 今年度は本課題の最終年度であるため、研究成果をまとめて国際誌等で発表できるよう準備も進める予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
加熱変性リゾチームによるウイルス不活化機構の解明については現在も検証を続けているが、加熱変性リゾチームの応用性検証に関しては国際誌掲載などまとまった成果に出来たと考えている。2年目も不活化機構の解明と応用性の検証を並行して進めていくが、特に不活化機構の解明に特に注力してデータを取得していく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2年目は加熱変性リゾチームの不活化機構の解明を重点的に進めていく。現在、加熱変性リゾチームがどのような条件で不活化効果を示すかについてはデータが揃いつつあるが、不活化条件のとき加熱変性リゾチームとノロウイルスがどのような相互作用をしているか、加熱変性リゾチームにおける不活化作用部位がどこなのか明らかにするための検証を行う予定である。今年度は本課題の最終年度であるため、研究成果をまとめて国際誌等で発表できるよう準備も進める予定である。
|
Research Products
(2 results)