2019 Fiscal Year Annual Research Report
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17J05511
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 智 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 膵臓癌 / IPMN / クロマチンリモデリング / SWI/SNF複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでSWI/SNFクロマチンリモデリング因子に注目し、研究を進めてきた。まず、膵特異的にKrasを変異させ、Arid1Aを欠失させたマウスにおいてヒトIPMNと類似した膵嚢胞性病変、膵嚢胞性病変由来発癌が生じ、Arid1AはIPMNおよびIPMN由来膵癌の発生を抑制していることが見出した。しかし、Brg1を欠失したマウスと比較してArid1aを欠失したマウスはIPMN由来膵癌を生じにくい傾向があることがわかった。この差異が生じる要因を探索したところ、Brg1を欠失したIPMNではArid1aを欠失したIPMNよりもmTOR pathwayが増強していることが判明し、mTOR pathwayの増強がIPMNからIPMN由来発癌に重要であると考えられた。 これらの結果をふまえ、mTOR pathwayの上流で抑制的に作用するPtenに注目し、PtenがIPMN、IPMN由来膵癌の発生において果たす機能的役割の解明に取り組んでいる。膵管細胞特異的にPtenを欠失させたマウス(Hnf1βCreERT2; Ptenf/f)と膵腺房細胞特異的Ptenを欠失させたマウス(Ptf1aCreERT2; Ptenf/f)を比較して表現型の違いを確認するとともに、膵管細胞特異的にKrasを変異させ、Ptenを欠失させたマウス(Hnf1βCreERT2; KrasLSL-G12D; Ptenf/f)を作製・解析し、IPMN由来膵癌が生じる機序の解明に取り組んでいる。 これらの結果は診断・治療が困難で、予後不良である膵癌の新たな診断・治療法の開発につながることが期待される。また、IPMN由来膵癌の臨床経過に関しては不明な点も多いが、IPMNから発癌へと進行する機序が明らかになればIPMNの手術適応の決定や発癌予防方法の開発などの一助となる可能性がある。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] SETDB1 IS REQUIRED FOR FORMATION OF PANCREATIC DUCTAL ADENOCARCINOMA BY INHIBITING APOPTOSIS THROUGH REGULATION OF P53 EXPRESSION2019
Author(s)
Satoshi Ogawa, Akihisa Fukuda, Motoyuki Tsuda, Yukiko Hiramatsu, Norihiro Goto, Takahisa Maruno, Osamu Araki, Munemasa Nagao, Takaaki Yoshikawa, Makoto Sono, Tomonori, Masuda, Yuichi Fukunaga, Yuki Nakanishi, Yoichi Shinkai, Hiroshi Seno
Organizer
DDW 2019
Int'l Joint Research
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[Presentation] 膵特異的Setdb1欠損マウスではp53依存性アポトーシスにより膵発癌が抑制される2019
Author(s)
小川 智, 福田 晃久, 薗 誠, 益田 朋典, 福永 裕一, 荒木 理, 吉川 貴章, 長尾 宗政, 後藤 規弘, 平松 由紀子, 津田 喬之, 丸野 貴久, 中西 祐貴, 眞貝 洋一, 妹尾 浩
Organizer
第50回日本膵臓学会
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