2018 Fiscal Year Annual Research Report
機械学習への応用を目指した安全かつ高効率な高機能暗号の研究
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17J05603
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
勝又 秀一 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 高機能暗号 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,機械学習アルゴリズムに潜在するプライバシーリスクの解明,および,機械学習への応用が期待される高機能暗号方式の十分に安全でかつ効率的な構成である.本年度の成果は,六本の査読付き国際会議と一本の論文誌採録である.以下,特筆すべき二件の成果を説明する. 一つ目は,高効率な耐量子性を備えたIDベース暗号の提案である.IDベース暗号とは,高機能暗号の中で最もシンプルかつ基礎的で,より高機能な暗号方式への出発地点となるため,活発に研究が行われている.また,近年は量子計算機の台頭を危惧し,量子計算機をもってしても安全性が破られない耐量子性を備えた暗号方式が注目を浴びている.本研究で提案するIDベース暗号は,STOC'08にGentry-Peikert-Vaikuntanathanが提案した格子に基づく現在もっとも効率的な耐量子IDベース暗号をベースにしており,量子ランダムオラクルモデルにおいて新しい証明を与えたことが最大の貢献である.本成果は,暗号理論分野の三大国際会議の一つであるASIACRYPTに採録された. 二つ目は,ゼロ知識証明を活用しない,初めての耐量子性を備えたグループ署名の提案である.グループ署名とは,自身の匿名性を守りながらグループに参加しているユーザを代表して署名を打てる高機能な署名方式である.それに加え,特別な管理者は署名を非匿化することができるため,不正検知機構も備わっている.従来,グループ署名はゼロ知識証明を経由する構成方法しか知られていなかったが,ゼロ知識証明は耐量子性を持つ数学的道具からの構成方法が知られていなかった.本研究では,ゼロ知識証明を経由しない新しい証明手法を提案し,初めての耐量子性を備えたグループ署名を提案したことが最大の貢献である.本成果は,暗号理論分野の三大国際会議の一つであるEUROCRYPTに採録された.
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)