2018 Fiscal Year Annual Research Report
選択的オートファジー基質Nbr1を介した脂肪酸分解制御機構
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17J05623
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
齊藤 哲也 新潟大学, 医歯学系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | オートファジー / NCoR1 / 脂質代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝臓特異的オートファジー欠損マウスを用いた詳細な生化学的、そして網羅的な脂質分子解析を行った。その結果、オートファジー不全により、脂肪酸酸化を抑制する核内受容体コリプレッサー1(NCoR1)が蓄積し、その結果として脂肪酸酸化が顕著に抑制されることを発見した。 つまり、NCoR1が栄養飢餓に応じて「オートファゴソーム」という膜構造体に局在するGABARAPと特異的に結合し、オートファジー依存的に分解されることを見出した。そこで、オートファジーによるNCoR1の分解の意義を検討するため、マウスの肝臓においてオートファジー必須遺伝子Atg7を欠失させた結果、NCoR1が肝臓に過剰に蓄積し、マスター転写因子であるペルオキシソーム増殖剤活性化受容体α(PPARα)が抑制されることを確認した。 さらに、肝臓特異的Atg7欠損マウスは、栄養飢餓に応じた脂肪酸酸化関連遺伝子群の遺伝子発現やエネルギー源のケトン体産生を著しく低下させることも確認した。すなわち、栄養飢餓に応じてNCoR1がオートファジー依存的に分解されることにより効率的にPPARαが活性化し、脂肪酸酸化が促進されることを意味する (Nat. Commun. 2019)。 本研究成果の特徴は、現在、国内外で未曾有の発展を遂げているオートファジー研究の中でも、選択的オートファジーによる細胞生理機能、特にオートファジーによるNCoR1の分解に焦点を当てたことにある。今回の研究から、オートファジーが単に脂質を分解するだけでなく、その分解産物である脂肪酸の代謝をも促進することで、効率的な脂質代謝を可能にしていることが分かった。したがって、オートファジーの活性化がこれら生活習慣病の効率的な予防、治療を可能にできると考えられる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(3 results)