2017 Fiscal Year Annual Research Report
マウス精子形成過程の長鎖非コードRNAとエンハンサーによる新規転写調節機構の解明
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17J05929
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 優衣 北海道大学, 大学院生命科学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | long noncoding RNA / エピジェネティクス / エンハンサー / 精子形成 / 生殖細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はマウス精母細胞特異的なPrss42/Tessp-2遺伝子をモデルとして、減数分裂過程の一次精母細胞における転写活性化メカニズムを解明するものである。特に、別々のゲノム領域に存在するlncRNAとエンハンサーが1つの遺伝子を転写活性化するという新しいメカニズムの詳細を検証するものである。今年度は、lncRNA結合タンパク質の同定とlncRNA欠損マウスの作成等を行なった。 はじめに、我々が同定したlncRNAをTesraと名付けた。そのTesraについて、その相互作用タンパク質候補を探索するためにRibo trap法とLC/MSを用いて解析を行なった結果、Tesraに結合する可能性のある13種類のタンパク質を同定することができた。そのうち4つのタンパク質についてRNA免疫沈降を行なって検証した結果、少なくとも1種類のタンパク質についてはTesraと結合しているという結果が得られた。また、CRISPR-Cas9システムを用いたTesra欠損マウスの作成については、1系統のhomoノックアウトマウスを得ることに成功した。更にin vitro細胞培養系を用いた解析では、Tesraの転写を誘導できるTet-on系を確立した。この系に一連のレポーターコンストラクトを導入して調べた結果、Tesraはエンハンサーとは互いに依存的ではないが、エンハンサーと同時に存在するとき、各因子が単独で存在するときよりもPrss42/Tessp-2プロモーター活性をより増強する事が判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Tesra結合タンパク質を1つ同定し、ノックアウトマウスが完成し、in vitroの解析も順調に進んでいるので計画通りと評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
Tesra結合タンパク質が他に存在するか調べ、それらのタンパク質が互いにどのように結合し複合体を構成しているかについて解析する。また、これらのタンパク質がエンハンサーに結合しているかについても検証する。更にTesraノックアウトマウスの表現型を解析する。
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Research Products
(2 results)