2019 Fiscal Year Annual Research Report
放線菌由来新規ニトロ化酵素の同定と芳香族ジアミン生産系の開発
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17J06071
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
冨田 宏矢 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 生合成 / 放線菌 / シトクロムP450 / ニトロ化 |
Outline of Annual Research Achievements |
RufOの結晶構造解析で電子密度が観測されないループ部分に関する知見を得るため、共同研究による計算科学を用いてループ領域の挙動を予測し、酵素活性や基質認識に重要な役割を果たすアミノ酸残基の同定を試みることにした。すでに得られているX線結晶構造のデータをもとにMD計算、量子化学計算を行い、チロシンや一酸化窒素の結合のシミュレーションをマイクロ秒スケールで進めた。活性中心のヘム鉄は、ニトロ化反応が起こる状態と予想されるペルオキシナイトライトが配位したものを用いた。これまでの結果からは重要なアミノ酸残基の同定には至っていないものの、今後いくつかの変異体の作製およびその酵素活性の変化を併せて進めることで、酵素反応のメカニズムに迫ることができると考えられる。また、酵素学的に非常に珍しいニトロ化反応の反応機構に関する知見を得るため、ペルオキシナイトライトを用いた酵素反応試験を行った。一般的な水酸化反応を触媒するシトクロムP450酵素の場合、フェレドキシンから供給される電子を用いて分子状酸素を還元的に活性化するが、過酸化水素を用いることでフェレドキシン/フェレドキシン還元酵素および酸素を用いずにこの触媒サイクルをバイパスできることが知られる。そこでRufOによるニトロ化反応でも同様の反応が行えるかどうかを調べるため、本来の酵素反応に必要なフェレドキシン/フェレドキシン還元酵素と一酸化窒素の代わりにペルオキシナイトライトを加えて実験を行った。その結果、ペルオキシナイトライトでもニトロ化反応が進行することが明らかとなった。この結果は、ニトロ化反応を触媒するシトクロムP450酵素がペルオキシナイトライト中間体を経由するとの予想反応機構を支持するものと考えられる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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