2017 Fiscal Year Annual Research Report
p53依存的なオートファジー関わる膜輸送体DRAMの機能構造解析
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17J06101
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
糟谷 豪 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 分子生物学 / 構造生物科学 / オートファジー / 膜タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
オートファジーは、進化的に保存された細胞内自己分解経路である。外界からの各種刺激によりオートファジーが誘導されると、細胞質中でオートファゴソームと呼ばれる隔離膜が形成され、細胞内の不要産物を包み込む。その後、オートファゴソームとリソソームが融合しオートリソソームが形成され、不要産物が分解される。DRAMはガン抑制遺伝子のp53により活性化されるリソソーム膜タンパク質である。DRAMの活性化はリソソームの酸性化や透過性亢進を引き起こし、オートリソソーム形成とそれに伴うアポトーシスを誘導する。しかしながら、DRAMの分子機構については、他のタンパク質との配列相同性から金属イオンを輸送するトランスポーターであることが示唆されているに留まっており、その構造基盤は不明であった。 本研究では現在までに、ある哺乳類由来DRAM1が精製、結晶化に適していることを見出した。そして、結晶化能の向上を目指し、野生型よりも安定性の高い改変コンストラクトを作成することに成功した。他方で、他生物種由来のDRAM1についても、各種哺乳類からクローニングを行い、うち1種について精製、結晶化を行うことに成功した。今後は、結晶化および発現コンストラクトの詳細な条件検討を行い、最適化を目指す。 本年度はまた、これまでDRAMの構造解析に取り組んできた経験と技術基盤を生かし細胞外ATPを受容するリガンド依存性チャネルであるP2X受容体に関して、その活性阻害機構の構造基盤の解明を目指し、チキン由来P2X7受容体についてその競合阻害剤であるTNP-ATPが結合した状態での立体構造決定に成功した。そして、得られた構造情報に基づいた電気生理学および分子動力学的解析を行うことで、TNP-ATP依存的なP2X受容体の阻害機構を解明するとともに、この内容をまとめた論文をNature communications誌に発表した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(3 results)