2017 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素の生成および消去活性と酸化還元電位の相関図作成と高性能金属錯体触媒の開発
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17J06282
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
岩本 勇次 同志社大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2018-03-31
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Keywords | 酸化還元電位 / 金属錯体 / 一酸化窒素 / DNAの酸化的切断 |
Outline of Annual Research Achievements |
近赤外光の照射により一酸化窒素を放出することが可能な単核マンガンニトロシル錯体を疎水化、内部に疎水性の薬剤を保持しドラックデリバリー機能を有する生分解性PLGAポリマーと混合することにより、組織透過性の高い800 nmの光照射によって、一酸化窒素を生成するPLGAマイクロ粒子を合成することに成功した。この研究成果は、マクロファージのがん組織への走化性を利用し、このPLGAマイクロ粒子をがん組織に集積させることで、近赤外光照射によりがん細胞スフェロイドに一酸化窒素を生成させる共同研究へと繋がった。臨床段階に進むには多くの試験と課題が残されているが、研究課題の一つである錯体を基盤とする高機能性分子の開発が達成できたと言える。 もう一つの研究課題である酸化還元電位と活性酸素種の生成に関する相関図の作成も完了した。また、錯体の酸化還元電位が、DNAの酸化的切断活性とも相関することをDNA切断実験と全く同条件下で酸化還元電位を測定することで確認している。本研究成果は、酸化還元電位と活性酸素種の生成に関する相関図の作製から始まった研究が大きく展開したものと評価される。この研究成果が基点となり、DNA切断活性を示す鉄錯体タンパク質複合体の開発が既にスタートしている。また、マイクロ粒子を形成するタンパク質コバルト錯体複合体を用いた光水素発生に関する研究も従事した。具体的には安価なタンパク質であるウシ血清アルブミンとコバルトポルフィリン錯体を水中で混合するだけで、コバルトポルフィリン錯体と比べ約2倍の光水素発生触媒活性を示すタンパク質コバルト錯体複合体が合成できることを見出した。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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