2019 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス状況下における記憶処理メカニズムの解明:臨床的応用可能性へ向けて
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17J06690
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
林 明明 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所, 特別研究員(PD) (90726556)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 偶発記憶 / 虚記憶 / DRMパラダイム / ストレス負荷 / 社会的ストレス / TSST / 連合記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
DRMパラダイムを用いて社会的ストレスが偶発学習時の虚記憶に及ぼす影響を検討した。約24時間後の遅延記憶を再認テストによって確認した。学習課題後にストレス条件ではTSST(Trier Social Stress Test)(Kirschbaum et al., 1993)、コントロール条件はPC課題を行った。質問紙による主観的ストレス反応および心拍測定による生理的なストレス反応を測定した。ストレス条件の参加者は、コントロール条件の参加者よりも有意に主観的ストレスの回答値が高く、また課題中の平均心拍数も高かった。記憶成績ではルアー語の誤再認率について、ストレス条件のほうがコントロール条件よりも高い傾向にあり、また、ストレス条件では、学習リスト語をRemember(覚えている)と回答した正答率とストレス課題中の平均心拍数が有意な正の相関を示した。 さらに、顔写真とそれぞれの名前、職業を覚えるFace Name Associative Memory Exam (FNAME) (Rentz et al., 2011)を用いて社会的ストレスが連合記憶に及ぼす影響を検討した。学習課題後にストレス条件では TSST、コントロール条件では、Het et al. (2009)によって作成されたTSSTのためのコントロール課題を行った。しかし、本実験での2つの条件は、主観的ストレスの回答値は有意差が認められたが、心拍数では有意な差はなかった。学習課題から約30分の遅延後に、自由再生および手がかり再生のテストを行った。職業の自由再生成績ではストレス条件ではコントロール条件より値が高い傾向にあり、主観的ストレス値が高いほど正答率が高かった。しかし、名前の手がかり再生成績では逆の傾向を示した。通常の学習記憶と連合記憶では、学習後ストレスが異なる効果を及ぼす可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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