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2017 Fiscal Year Annual Research Report

Development of new method of magnetic field measurement and principle experiment of magnetic thrust chamber

Research Project

Project/Area Number 17J06801
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

齋藤 直哉  九州大学, 総合理工学府, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2017-04-26 – 2019-03-31
Keywords磁気スラストチャンバ / レーザー核融合ロケット / 磁場計測
Outline of Annual Research Achievements

米国は2030年代に有人火星探査を実現させる計画を立てた。しかし火星までの往復には長期間要すため、搭乗員への宇宙放射線被曝の問題がある。そのため、高速飛行が可能な輸送機の開発が求められる。その候補としてレーザー核融合ロケットが提案された。その実現に向け、レーザー核融合ロケットの推進システムである磁気スラストチャンバの原理実証は重要な課題となる。そこで本研究では、磁気スラストチャンバの磁場の時間変化を計測することを目的とする。
平成29年度は高強度レーザーを用いた実験機会を得られた為、プロトンバックライト法による磁気スラストチャンバの磁場計測が可能かの検証を行った。この計測法は高強度短パルスレーザーを金属薄膜に照射することで、高エネルギープロトン(H+)を生成し、それを磁場に照射し、下流にてプロトンの飛跡イメージを取得することで、得られたイメージから磁場構造を逆算する計測手法である。通常この手法は、高エネルギー(MeV)プロトンを利用し、強磁場(数100T)を計測している。しかし、我々が計測対象としてる磁場は、数T程度の弱磁場である。そのため、プロトンのエネルギーを抑える必要がある。そこで本実験では、プロトンを生成するレーザーの強度を下げて(プロトンエネルギーを抑え)、本手法が計測可能かの検証を行った。プロトンの飛跡イメージを取得するためにCR39フィルムを用いた。フィルムの前面には厚さ0.7μmのCH膜を貼り、低エネルギーのプロトンを阻止した。磁場の生成として、Nd永久磁石を用いて評価し、磁場の有無により、プロトンの飛跡イメージが変化することを確認した。この結果は、この計測手法が磁気スラストチャンバの磁場計測に適用できることを示した。しかし、プロトンイメージから磁場構造を逆算する解析プログラムが開発途上であるため、完璧な再現が出来ていない。解析プログラムの開発が今後の課題となる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

磁気スラストチャンバの磁場の時間変化をプロトンバックライト法で追跡可能かの検証を行った。高強度レーザー(波長:527nm,パルス幅:0.1ns,エネルギー:200J/beam,ビーム数:4)を、厚さ2μmの銅箔に照射しプロトンを生成した。磁場生成にはNd永久磁石を用いた。この磁石は表面から4mm離れた位置で0.046Tの磁場を生成する。下流にCR39を設置し、プロトンのイメージを取得する。CR39表面にCH膜(厚み0.7μm)を貼り、約60keV以下のプロトンがCR39に衝突しないようにした。CR39は、温度を70°の一定にしたKOH水溶液(6mol/L)に15分浸して、エッチング処理した。実験結果から、磁場が無い場合、プロトンの飛跡痕はプロトンビームの中心軸上を中心に円状に広がっていた。これは、磁場がないためプロトンビームがまっすぐ飛来してきたことを示す。一方磁場を印加した場合、プロトンの飛跡痕が磁石側に寄っていた。これは、磁場によってプロトンの速度方向が変化させられ、プロトンの飛跡痕が変化したと考えられる。この結果は、磁場の有無によりプロトンイメージが大きく変化したことを示し、この計測法が有効であると言える。
次に、実験で得られたプロトンイメージから磁場構造を逆算するために、PICコードでプロトンの飛跡を計算し、実験を再現するプログラムの構築が必要である。プロトンエネルギーを0.1MeVとした時の、プロトンイメージを計算した。この時、プロトンビームの広がり角は、実験結果(磁場無し)から算出した角度を用いた。そのため、磁場がない場合の計算結果は、実験結果で得たプロトンの飛跡痕と同程度の大きさを再現している。しかし、磁場を印加した場合、実験と大きく異なった。そのため今後の課題として、実験で得られたプロトンイメージを再現出来る様に、PICコードの改良をする必要がある。

Strategy for Future Research Activity

今後の方策として大きく2つに分けられる。まず1つ目は「磁場を逆算する解析プログラムの開発」である。この課題は、「現在までの進捗状況」で記述した通り、PICコードの計算結果が実験結果を再現出来ていない問題がある。そのため、コードの問題点を改善する必要がある。実験を再現できるコードが完成した後は、解探索プログラムである遺伝的アルゴリズムの構築を行い、プロトンイメージから磁場構造を逆算できるかを検証する。
次に2つ目の方策は「イオンバックライト法の構築」である。平成29年度に行った研究では、プロトンバックライト法を利用した磁場計測が可能であることを示した。しかし、プロトンの生成には、大型の高強度レーザーが必要である。一方、プロトンの代替として、イオンを用いるイオンバックライト法では、イオン源であるイオンエンジンで済むため、大型のレーザー施設を必要としない。そこで今後は、イオンバックライト法の構築を目的とする。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Experimental demonstration of ion extraction from magnetic thrust chamber for laser fusion rocket2018

    • Author(s)
      Saito Naoya、Yamamoto Naoji、Morita Taichi、Edamoto Masafumi、Nakashima Hideki、Fujioka Shinsuke、Yogo Akifumi、Nishimura Hiroaki、Sunahara Atsushi、Mori Yoshitaka、Johzaki Tomoyuki
    • Journal Title

      Japanese Journal of Applied Physics

      Volume: 57 Pages: 050303~050303

    • DOI

      https://doi.org/10.7567/JJAP.57.050303

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2018-12-17  

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