2018 Fiscal Year Annual Research Report
膜脂質PI4Pの代謝・輸送を介した出芽酵母前胞子膜の形態形成メカニズムの解明
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17J06832
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 毅 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 出芽酵母 / 膜脂質 / 前胞子膜形成 / オルガネラコンタクトサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
膜脂質PI4Pの代謝・輸送を介した出芽酵母前胞子膜の形態形成メカニズム明らかにするために、以下の研究を行った。 1.昨年度までの研究で、前胞子膜伸長に異常をきたすspo73遺伝子破壊株(spo73Δ)において、栄養増殖時に細胞膜と小胞体の接触部位の形成を担う繋留タンパク質の局在異常が観察されていた。そこで、東京大学理学部物理学科の岡田先生との共同研究で超解像顕微鏡を用いて観察したところ、野生株では繋留タンパク質が前胞子膜に沿って観察される一方で、spo73Δでは前胞子膜近傍には観察されなかった。また、Spo73とともに SSV複合体を形成すると推測されているSpo71およびVps13の遺伝子破壊株でも繋留タンパク質の局在異常が観察されたが、別経路で前胞子膜伸長に寄与するGip1の遺伝子破壊株では繋留タンパク質の局在異常が見られなかった。これらの結果は、SSV複合体が前胞子膜-小胞体接触部位の形成に関与することを示唆している。 2.2018年にVps13が脂質輸送タンパク質であることを示唆する報告があったことを受け、spo73Δの胞子形成不全回復(サプレッション)とVps13との関係について解析した。その結果、spo73Δおよびspo71Δでは前胞子膜上のPI4P量の減少によりサプレッションが見られる一方で、vps13Δでは見られなかった。さらに、PI4P量を減少させるホスファターゼのキメラタンパク質とVps13をともに過剰発現させることで、サプレッションの効率が相乗的に増加した。したがって、spo73ΔのサプレッションにはVps13が中心的役割を担うことが示唆された。 これらの研究結果については、現在投稿論文の作成を進めている。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)