2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J06932
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清原 孝行 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | ボソンサンプリング / 多光子量子干渉 / 伝令付き単一光子源 / パラメトリック下方変換 / 多重化 / シリアルパラレル変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
多光子量子干渉を用いたボソンサンプリングは,干渉に用いる光子が数十個程度で,従来のスーパーコンピュータの計算能力を超える.そのため,複数光子を用いたボソンサンプリングの実現は,量子計算分野において大きな意義がある.本研究では,ハイブリッド型の伝令付き単一光子源とシリアルパラレル変換系を駆使し,複数光子ボソンサンプリングの実現を目指している. これまでに,光子対数識別法を用いた多重化伝令付き単一光子源による余剰光子生成割合の抑制(OPEX2016)と伝令信号を用いたシリアルパラレル変換(OPEX2017)の原理検証実験を行った.平成30年度では,これまでに構築した上記2つの系を組み合わせることにより,余剰光子割合の抑制された2光子で構成されるパラレル光子列の生成を目指した.本研究において,複数の伝令信号の高速処理を,FPGAを新たに組み合わせた制御システムにより実現した.さらに,効率的にパラレル光子列を生成する動的ルーティング方法を提案した.それらにより,2光子で構成されるパラレル光子列の生成効率の向上に成功した.並行して,複数個の単一光子とビームスプリッタで構成される多光子システム間量子もつれ状態を,フーリエ変換回路を用いた検証実験にも取り組んだ.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに構築した光子対数識別法を用いた多重化伝令付き単一光子源による余剰光子生成割合の抑制(OPEX2016)と伝令信号を用いたシリアルパラレル変換(OPEX2017)の系を組み合わせることにより,余剰光子割合の抑制された2光子で構成されるパラレル光子列の生成を実現した.本研究において,複数の伝令信号の高速処理を,FPGAを新たに組み合わせた制御システムにより実現した.さらに,光子対源の性能向上に向けて,パラメトリック下方変換により生成した非同軸光子対の単一モードファイバへの高効率結合を目指した実験についても開始している.並行して,複数個の単一光子とビームスプリッタで構成される多光子システム間量子もつれ状態を,フーリエ変換回路を用いた検証にも成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
パラメトリック下方変換により生成した非同軸光子対の単一モードファイバへの高効率結合に関する実験を引き続き行う.その後,構築した光子対源を組み込んだ高性能伝令付き単一光子源から出力する光子を動的制御することにより,効率的に10個の光子で構成されるパラレル光子列の生成を実現する.
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