2017 Fiscal Year Annual Research Report
Dark matter search by annual modulation using low threshold data of XMASS detector
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17J07032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 雅俊 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 暗黒物質 / XMASS / 液体キセノン / 季節変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は神岡地下で観測を行っている大型キセノン検出器XMASSのデータを用いて暗黒物質由来の事象率の季節変動観測を行った。暗黒物質とは宇宙に存在する未知の質量であり、有力な候補は未知の素粒子である。暗黒物質の観測法の一つが季節変動法で、銀河に付随する暗黒物質と地球との相対速度の変化を用いている。太陽系が銀河系を公転する方向と地球が太陽系を公転する方向が季節によって異なることを利用し、相対速度の変化に由来する暗黒物質事象の事象率変動を観測する。 解析においては、数GeV以上の重さの暗黒物質(以下multi-GeV DM)と1GeV以下の重さの暗黒物質(以下sub-GeV DM)という二つの物理目標を探索した。それぞれ観測している過程が異なるため予想される季節変動効果も異なったものとなる。 Multi-GeV DMに対しては、キセノン原子核と暗黒物質の弾性衝突による原子核散乱による信号を探索した。2013年11月から2017年6月までの3.5年間に取得したデータと、2015年12月から2017年6月までに取得した低しきい値データの双方を用いて解析を行った。 Sub-GeV DMに対してはキセノン原子核と暗黒物質が非弾性衝突した際に付随して放出される制動放射によるX線を探索した。この過程はまれであるが放出されるX線が弾性散乱による原子核反跳の場合よりも高いエネルギーに到達するためより軽い暗黒物質を探索することに適している。本年度は放出されるX線スペクトルの季節変動成分を計算し、その結果をもとに季節変動解析を行った。 これら二つの解析の結果、有為な信号を得ることができなかったためそれぞれに90%CL上限値をつけた。これらの結果を博士論文としてまとめて発表を行い、博士号を得た。また現在投稿論文として準備を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
もともとの目標であった低しきい値データの解析による暗黒物質の季節変動探索を行い、解析の結果を博士論文としてまとめ、発表するに至った。またそれに加え、低しきい値データは用いなかったものの、制動放射効果という新たなアプローチを通して軽い暗黒物質領域に対する季節変動探索を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は29年度に得たmulti-GeVに対する成果、sub-GeVに対する成果を速やかに論文としてまとめて投稿する。さらにより高い感度での暗黒物質直接探索のために、海外研究機関と協力して将来の大型実験に向けた検出器の開発も行っていく。
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Research Products
(2 results)