2018 Fiscal Year Annual Research Report
新規カルコゲナイド系光電極を用いた高効率・高耐久ソーラー水素生成反応系の構築
Project/Area Number |
17J07120
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
兼古 寛之 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
|
Keywords | 水素製造 / 半導体電極 / 電気化学 / 水分解 / 太陽光 |
Outline of Annual Research Achievements |
光電気化学セルによる可視光水分解は、太陽光と水のみから水素を製造するシステムの一つとして注目されている。本研究では特に、p型半導体電極(光カソード)及びn型半導体電極(光アノード)を接続することによって構築される2段階光励起型のセルに着目した。この2段階光励起型のセルにおいては、バンドギャップの比較的小さい非酸化物材料を選択可能であるものの、半導体電極表面の腐食が主な原因で、12時間を超える長時間動作は報告されていなかった。加えて、特に光カソード表面において、光アノードから溶出した重金属イオンによる表面被毒もまた不安定化に寄与していることを、当研究員による前年度までの結果によって明らかとなっていた。 当年度は、この光アノードからの重金属イオンの溶出の抑制を図り、光アノード表面の修飾及びその効果を検討した。より具体的には、カチオンの透過を妨げるアニオン伝導性イオノマーをBiVO4光アノードの表面にコーティングすることによって、BiVO4の分解によって生じたBi3+やV5+といった金属イオンをBiVO4/イオノマー界面に閉じ込めることを狙った。これによって、BiVO4光アノード表面付近の重金属イオン濃度が高まり、化学平衡の変化によって一定量以上の分解が抑制されると期待されたためである。 上記コーティングを行い、かつ対極表面に析出したBi種の量を分析した結果、イオノマー被覆によってBiの析出速度が5分の1程度にまで抑えられることを確認した。イオノマー被覆によってBiVO4の分解及び溶出が抑えられたことを強く示唆している。 さらに、イオノマー被覆したBiVO4光アノードと光カソードを用いて、冒頭に記述した光電気化学セルを構築し、疑似太陽光照射下における、水分解に起因する光電流の変動を測定した結果、イオノマー被覆によって光電流が安定化することを確認した。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(9 results)