2017 Fiscal Year Annual Research Report
都市環境改善と減災を目的とした人口減少下の緑地再配置計画に関する研究
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17J07605
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松尾 薫 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 都市環境気候図 / 都市環境生態系図 / 生物多様性 / 公開空地 / 都市ヒートアイランド / GIS |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は以下に示す内容を実施し、都市環境図作成に伴う「都市環境気候図」「都市環境生態系図」の作成をすすめた。 ①「都市環境気候図」の実用化を目標としたヒアリング調査実施に関わる情報収集 地方自治体の環境・都市計画関連業務を支援するための都市環境気候地図のあり方を明らかにするための第一歩として、来年度行うヒアリング調査に向けた情報収集を行った。対象は広島市とし、まずは環境・都市計画関連業務を行っている課及びその業務内容を調査した(企画総務局:「企画調整部 政策企画課、総合計画係」、環境局:「環境政策課、環境政策係」「温暖化対策」「環境保全課、環境管理係」、都市整備局:「都市計画課、都市計画係」「都市機能調整部都市再開発担当」「緑化推進部 緑政課、企画管理係」「緑化推進部 緑政課、花と緑の施設係」「緑化推進部 公園整備課」「住宅部 住宅政策課、計画係」、下水道局:河川防災課)。 ②「都市環境生態系図」作成に関わる「公開空地における利用者アンケート調査実施」に伴う事前準備 今年度は主に都市生態系保全の観点からどのようなゾーンを優先的に緑化すべきかを示す、「都市環境生態系図」作成を最終目的とし、それを見据えた研究課題「東京都心部の公開空地における物的特性と利用者評価の関連に関する研究-東京都心部の公開空地における利用者アンケート調査-」に伴う事前準備を行った。具体的には、①「人間にとって快適な空間の確保」と「生物の生息環境の維持と形成」を意図した植栽計画がなされた東京都23区内の公開空地の調査、②公開空地設計者に対する公開空地内植栽計画の意図に関するヒアリング調査、③ヒアリング調査結果を用いた利用者インタビュー調査及びアンケート調査設計等を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に示した本年度の目的である「都市環境気候図」、「都市環境生態系図」の作成に関わる情報収集を行ったが、一部行っていない調査があるため、「(2)おおむね順調に進展している。」を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
主に29年度の成果をベースに、「都市環境気候図」、「都市環境生態系図」の作成を行う。さらに平成30年度は主に「都市環境水図(水環境)」の作成を行う。以下にその手順を示す。①環境要素(水)に関連する基礎的な資料収集、及び現地調査を行い、GISデータベース化を行う。②水環境分野の文献を収集・整理し、水環境に関する都市環境改善機能、減災機能を整理する。③Arc Hydro、及びHEC-HMSを用いた水文解析を行い「水資源ネットワーク」の把握、及び地図化を行う。④①、②、③の結果を用いて、各基礎情報から水環境に関する機能評価を行い「環境機能評価図(水環境)」を作成する。⑤④の結果を用いて、水環境に関する機能評価別のゾーニングを行い、「都市環境水図」を作成する。⑥③、⑤の結果を用いて、水環境の観点から優先的に緑化すべきゾーンを抽出する。⑦国内外の学会(日本建築学会、日本都市計画学会等)や論文集を通じて⑥までの成果を公表する。
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