2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analytical approach to chaotic phenomana for clarifying irreversible behavior
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17J07694
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大久保 健一 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | カオス力学系 / Lyapunov指数 / 臨界現象 / エルゴード性 / exact性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1980年代にPomeauらの研究によってTypeIのインターミッテンシーが生じるような臨界点ではLyapunov指数の臨界指数が1/2であるとの推定がなされた。本研究では超一般化Boole変換(SGB変換)という2パラメータ写像を扱った。1つのパラメータKが偶数の場合、もう一つのパラメータαを小さい方向から1に近づけた場合、α=1でTypeIのインターミッテンシーが生じることを示し、その点でのLyapunov指数の臨界指数が1/2であることを、写像のExact性を証明することで解析的に導出することに成功した。加えて、Kが奇数の場合、αを大きい方向から1/K^2に近づけた時とαを小さい方向から1に近づけた場合の2通りの場合でTypeIのインターミッテンシーが生じることを示した。さらにこの場合に写像のExact性を証明することで解析的にLyapunov指数のこれらの点での臨界指数が1/2であることを示すことに成功した。まとめると、1980年代に予想された結果について、可算無限個のカオス写像を対象にTypeIのインターミッテンシーが生じた歳のLyapunov指数の臨界指数が1/2であることを、写像のExact性を証明することで解析的に示した。この結果を論文K. Okubo and K. Umeno, Universality of the route to chaos: Exact analysis, Ptog. Theor. Exap. Phys. 2018, 103A01 (2018)で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Lyapunov指数の臨界指数について, 超一般化Boole変換を用いて可算無限個のカオス写像に対してTypeIのインターミッテンシーが生じる場合に臨界指数が1/2となることを解析的に導出することに成功し, 論文にまとめることができた。 次にTan関数を用いた写像(以下Tan写像)において, 写像のAnosov性を証明することに成功した。これはルベーグ測度0の点を除いた領域で定義された初期密度関数がSRB測度に対応する密度関数に収束することを意味し、力学系における緩和現象を示している。
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Strategy for Future Research Activity |
Tan関数を用いた写像におけるAnosov性の証明に関する論文をまとめて投稿する。さらにAnosov性によって, Tan写像では相空間のほぼ全てに点で超拡散が発生することがわかっているので、このことも論文にまとめる。
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Research Products
(2 results)