2018 Fiscal Year Annual Research Report
精密分光による広域X線サーベイをめざした数万画素のTES型X線カメラの研究
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17J07948
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
林 佑 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | TES |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度までに進めた広域X線サーベイをめざした大型TES型X線カメラとカメラシステムの基礎となるTESカロリメータのマッシュルーム型吸収体開発を行った。このマッシュルーム型吸収体は従来の吸収体に対して、10倍以上の有効面積を持つ構造である。しかし、マッシュルーム型の制作ではマッシュルーム型吸収体の下層部のフォトレジストが熱変性によって除去できず問題となっていた。この問題の原因は、フォトレジストが吸収体の蒸着によるプロセスで熱負荷がかかりフォトレジストが変質してしまったためと考えられる。そこで、蒸着による吸収体の制作プロセスの見直しと熱耐性のあるフォトレジストの導入を行った。熱負荷を抑え数um程度の厚みを成膜する方法に電析法がある。電極となるseed層を蒸着で成膜する必要があるが、蒸着で3umの厚みを成膜するよりも蒸着時間を抑えることが可能である。seed層蒸着の際の熱負荷に耐えられるフォトレジストを導入し、目的のフォトレジストの厚みになるような条件出しや電極を成膜した際に断線しないよう角を滑らかにする条件出しを行った。条件出し後に実際にseed層のみ(電析を行わずに)でマッシュルーム型形成試験を行った結果、吸収体の下層のフォトレジストの除去が可能であることを確認した。また、昨年度までに構築した64素子TESカロリメータと64素子の読み出しシステムを用いて、TESカロリメータの応答関数の高精度化を行い、系統誤差を小さくした定量分析手法を構築し、実際の地球外物質に含まれるカンラン石とSiO2を用いて定量分析の実証を行った。さらに、昨年度まで低温増幅器の読み出し数が30素子以下であった原因となっている低温増幅器の搭載ユニットの歩留まりを改善した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)