2018 Fiscal Year Annual Research Report
構造学的解析に基づくLGI1-ADAM22複合体形成の生理機能の解明
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17J07958
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
宮崎 裕理 生理学研究所, 分子細胞生理研究領域, NIPSリサーチフェロー
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | LGIファミリー / 立体構造予測 / タンパク質間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度の研究計画に従い、これまでに明らかにしたLGI1-ADAM22の詳細な結合様式を基に、種々の脳神経疾患の発症との関連性が報告されているLGI1のファミリータンパク質(LGI2-4)とADAM22の結合特異性の評価を行った。まず、マウス脳組織を利用した免疫沈降実験によって、ADAM22と生理的に結合しうるLGIファミリータンパク質を検証した。その結果、LGI1とLGI4は効率的にADAM22と結合したが、LGI2とLGI3はほとんど結合しないことを見出した。また、in vitroの結合実験によって、ADAM22に対するLGIファミリータンパク質の結合性を比較したところ、同様の結果が得られた。この結合性の違いを構造学的に検証するために、これまでに明らかにしたLGI1の結晶構造を鋳型としたLGIファミリータンパク質の3次元構造予測(ホモロジーモデリング)を行った。モデル構造を精査した結果、LGIファミリーは互いによく似た立体構造を有する一方で、ADAM22との結合面に相当するタンパク質の分子表面には、数アミノ酸残基の違いがあると予想された。そこで、このアミノ酸残基の違いによるADAM22との結合への影響を、ファミリータンパク質の変異体を使った結合実験により検証した。その結果、LGIファミリーの分子表面の僅かなアミノ酸残基の違いが、ADAM22との結合に決定的な違いを与えることを見出した。これらの結果は、LGIファミリータンパク質の生理的な機能の違いが、ADAM22サブファミリータンパク質との結合の違いに依存している可能性を示している。したがって、LGI2とLGI3は他の受容体分子との結合を介して機能する可能性が高いと考えられた。以上の結果は、LGIファミリータンパク質の機能の違いおよび、関連する脳神経疾患の発症機序を理解する上で、重要な基礎資料となると考えられた。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)