2017 Fiscal Year Annual Research Report
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17J08121
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
市之瀬 敏晴 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | ショウジョウバエ / 薬物乱用 / 依存症 / ドーパミン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多様な遺伝学ツールを用いることのできるショウジョウバエをモデルに、薬物依存症の形成メカニズムをドーパミン報酬系に着目し、シナプスレベルで解明することである。この目的のため、まず、薬物依存症の形成を引き起こす環境要因を行動学的に特定した。その目的達成の第一歩として、アルコールや覚醒剤などの摂取量を自動かつ大規模に測定するための行動実験を開発した。これは、一週間に最大で200グループ以上の実験群の薬物摂取行動を測定することのできる装置である。この装置を使った実験により、羽化直後の環境要因がアルコールや覚醒剤など様々な依存性物質の摂取パターンを大きく左右することが判明した。従って、こうした環境要因が薬物乱用の大きなリスクファクターであるといえる。さらにその分子・神経基盤を明らかにするため、様々な変異体の薬物摂取量を測定した。その結果、特定のドーパミン受容体がこの行動変化に関与することが判明し、ドーパミン報酬系の環境要因依存的な性質の変化が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
薬物摂取に大きく影響する因子を複数発見した。さらにドーパミン報酬系の関与を示唆する予備データも得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
環境要因によるドーパミン報酬系の変化を高解像度で解明し、その行動制御における因果関係を証明することを目指す。特にシナプス構成因子に着目し、特定の細胞における局在変化、発現量の変化を、高解像度で解明する。さらにそれらの因子の人為的な発現操作により、行動制御の実現を図る。
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Research Products
(4 results)