2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J08140
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮田 翔平 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 最適制御 / モデル予測制御 / 熱源システム / 再生可能エネルギー / 低炭素制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は事務所ビルや工場といった業務用建築物における空調システム、特に冷水や温水を生産・搬送する熱源システムの高効率・低炭素な運用手法の開発を目的としている。採用1年目・2年目では詳細なシステムシミュレーションの構築とそれを用いた性能評価や不具合検知・診断を中心に検討をおこなった。今年度は、特に最適制御の検討に注力し、これまでの成果をまとめて学位論文として発表した。 再生可能エネルギー普及後の電力システムにおいては、供給側の出力が変動するため、需要側がその変動に対応する必要がある。そこで、再生可能エネルギーによる発電量を表す指標として発電量[kWh]を二酸化炭素排出量[kg-CO2]で除した値を1時間ごとに推定し、これを動的CO2排出係数とした。動的CO2排出係数に基づき熱源システムを制御することで、CO2排出量を最小化するような最適制御を検討し、その効果を定量化した。具体的には、蓄熱槽を有する熱源システムを対象に、モデル予測制御(Model Predictive Control、 MPC)を用いた冷凍機の最適制御を提案した。MPCでは、システムモデルを用いて最適な制御量を求める。このシステムモデルに構築したシステムシミュレーションを用いた。シミュレーションの結果、対象週において22:00に蓄熱を開始する従来の夜間蓄熱に対し、提案手法は約47%のCO2排出量削減効果を得られた。ただし、対象週(6月上旬)は負荷が比較的大きくなく、蓄熱槽が2日分の負荷をほぼ賄えるため、対象週は蓄熱槽を最大限活用できる期間だといえる。そのため本手法による年間の低炭素効果を適切に評価するためには年間または季節ごとの計算が必要である。加えて、蓄電池や躯体蓄熱といった調整力の拡大や、系統全体へ本手法が普及した場合の再生可能エネルギー導入拡大量の推定は今後の課題である。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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