2018 Fiscal Year Annual Research Report
膜脂質輸送体ABCA1による善玉コレステロール(HDL)産生メカニズムの解明
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17J08206
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小笠原 史彦 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | ABCA1 / HDL産生 / ストレプトリジンO / コレステロールフロップ |
Outline of Annual Research Achievements |
ABCA1はHDL産生に必須な脂質輸送体である。昨年度、セミインタクト細胞を用いた実験系を立ち上げる中、ABCA1発現細胞ではストレプトリジンO(SLO)による孔形成が起こらなくなることを発見した。この現象が、ABCA1によって細胞膜のコレステロール分布が変化したことを反映しているのではないかと考え、検討した。その結果、ABCA1によるSLO孔形成の抑制はATPase活性依存的であること、またABCA1の発現によって細胞の膜画分のコレステロール量に変化はなく、SLOの結合量にも変化がないことがわかった。これらのことから、ABCA1のコレステロールフロップ活性によって細胞膜内層のコレステロールが不足したため、ABCA1発現細胞ではSLOによって孔が開かなくなったことが示唆された。実際、コレステロール結合プローブを用いてフローサイトメトリーを行ったところ、ABCA1発現量依存的にプローブの結合量が増加し、ABCA1発現細胞では細胞膜外層のコレステロールが増加していることがわかった。さらに、細胞膜のスフィンゴミエリンを分解することによって細胞膜内層のコレステロールを増加させると、SLO孔形成が促進されることがわかった。これらの結果から、ABCA1は細胞膜において内層から外層へコレステロールをフロップしていることが明らかになった。これらの結果をScientific Reportに報告した。当初の予定とは異なったが、本研究によってABCA1がコレステロールを直接輸送していることを示すことができた。このことは、ABCA1が直接HDLを産生していることを強く支持している。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)