2018 Fiscal Year Annual Research Report
革新的アライン発生法を基盤とする医薬品候補化合物の創製
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17J08217
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
内田 圭祐 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | アライン / 炭素ー炭素結合切断 / Diets-Alder反応 / ベンゾシクロブテノン |
Outline of Annual Research Achievements |
ベンゼン環の炭素–炭素結合のひとつが三重結合となった“アライン”化学種は、その歪んだ構造に由来する高い反応性を示し、多彩な変換に利用できる。以前に私は、レゾルシノール類から2工程で合成できる1,3-ビス(トリフリルオキシ)-2-ヨードベンゼンから、3-トリフリルオキシアラインを効率的に発生・変換できることを明らかにした。なかでも、ケテンシリルアセタールとの[2+2]反応を経て、トリフリルオキシ基を有するベンゾシクロブテノンを高収率で合成できた。本研究では、トリフリルオキシ基を有するベンゾシクロブテンからアライン発生法の開発について検討を行った。具体的には、(1)様々な3-トリフリルオキシアライン、ケテンシリルアセタールとの[2+2]反応を行った後に、酸で処理することで、トリフリルオキシ基と幅広い官能基を併せ持つベンゾシクロブテノン類の合成を目指して研究に取り組んだ。(2)さまざまな求核剤を用いて、炭素-炭素結合切断を経るカルボニルを有するアラインの発生を検討した。(3)3-トリフリルオキシアライン前駆体、ケテンシリルアセタール、求核剤、アライノフィルの4種を2度のアラインの発生を経て組み合わせることで、医薬品の構造を改変し、新たな化合物ライブラリーの構築を目指した。 その結果、(1)トリフリルオキシ基を有するベンゾシクロブテノンの炭素-炭素結合切断を経るアライン発生法において、ケテンシリルアセタール、シリルエノールエーテルやアリルトリメチルシランなどの様々な求核剤とLewis酸を作用させることで、トリフリルオキシ基を有するベンゾシクロブテノールを合成できた。次に、これを、塩基で処理することで、β-ケトエステル部位を有するアラインが発生することを明らかにし、多彩なβ-ケトエステル類を合成できた。さらに、(2)今回開発したアライン発生法を利用することで、抗悪性腫瘍剤のalectinib類縁体などの医薬品誘導体の合成にも成功した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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