2018 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの疾走能力向上を目的とした新規運動処方の開発:筋の発達メカニズムに着目して
Project/Area Number |
17J08243
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
鳥取 伸彬 立命館大学, スポーツ健康科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
|
Keywords | ジュニアスプリンター / 100m走 / 時空間変数 / 加速局面 / 最大疾走速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
疾走能力に必要な筋力、筋部位、動作を検討することは陸上競技に限定されることなく、様々なスポーツパフォーマンスの向上に貢献することが期待できる。また、子どもの時期に疾走能力を向上させることは、将来の運動能力向上の基盤となることが期待できる。そこで本研究は、小学生期から中学生期までの成長による発達とトレーニング等による発達を類別化した上で、下肢筋および体幹筋の発達による疾走能力向上の解明と、新規トレーニングプログラムを開発することを目的とした。本年度は、ジュニアスプリンターの疾走能力測定を主に行った。 小学生スプリンターの100m疾走タイムに影響を及ぼす局面、および時空間変数(ピッチ、ストライド、接地時間、滞空時間)を検討するため、1歩ごとの解析を行った。その結果、スタートから最大疾走速度出現までの1歩ごとの高い加速能力(1歩当たりの疾走速度の増加量)が100m疾走タイムの短縮に関連することが明らかとなった。また、スタートから3歩目まではピッチ、4歩目から21歩目まではストライドと加速能力に有意な相関関係が認められた。さらに、トップスピードが出現した平均歩数は20.0±1.3歩目、平均距離は29.6±7.4mだった。これらの結果から、小学生において100m走の能力を向上させるためには100m走を行うことで加速から減速局面までの練習が必須ではなく、トップスピードに達するまでの加速局面の練習のみで獲得できる可能性が示唆された。今後は、各局面の加速能力に関連する筋形態についても検討を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ジュニアスプリンターの疾走能力についてデータを取得することが出来た。一方、当初予定していた筋量の測定については、機器変更に伴い本年度は計画通りに進めることが出来なかった。しかしながら、次年度に向けて方法論は確立しているため、計画通り研究成果を発表していくことが出来ると考えている。以上のことから、進捗としてはやや遅れていると判断しているが、次年度に向けての準備は出来ていると判断している。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、一般児童およびジュニアスプリンターを対象に引き続き縦断データの取得を行い、成長による下肢筋および体幹筋の発達について検討することを進める。また、ジュニアスプリンターの加速局面に関連する筋形態についても並行して検討する予定である。
|