2017 Fiscal Year Annual Research Report
核酸搭載エクソソームによる腫瘍関連マクロファージを標的としたがん治療戦略の実証
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17J08534
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
曽宮 正晴 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (50788974)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | エクソソーム / 牛乳 / 核酸医薬 / マクロファージ / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
牛乳からのエクソソーム精製について、牛乳に豊富に含まれているタンパク質成分を除くために、牛乳を酢酸で処理してタンパク質を沈殿させ、その上澄み分を超遠心によって分離することで、高度に精製したエクソソームを得ることができた。この方法は、従来報告されている牛乳からのエクソソーム精製法と比較しても、10倍程度の純度であり、エクソソームのマーカータンパク質を豊富に含んでいることが確認できた。なお、酢酸処理および超遠心法で精製したエクソソームは、マウス静脈内へ高用量投与しても(6 mg/kg)顕著な毒性を示さずアナフィラキシー症状などを誘導しないことを確認した。つまり、牛乳エクソソームの安全性を動物試験レベルで示すことができた。 また核酸内封については、独自の方法によって、牛乳エクソソーム内に効率的に核酸を内封する方法を開発することができた。従来の電気穿孔法の核酸の内封率0.1%と比較して、本研究で開発した新規法では内封効率は最大40%程度となり、非常に高い効率での核酸内封に成功したと言える。 最後にマクロファージの形質変化の誘導について、M2マクロファージをM1マクロファージに変化させると従来報告されていたmiRNAを5種類購入し、マクロファージ細胞株やマウス腹腔マクロファージにトランスフェクションしてその効果を評価したが、いずれのmiRNAについてもマクロファージの表面マーカーを変化させるような結果は得られなかった。今回の実験で用いた細胞モデルが腫瘍周辺に存在しているマクロファージと異なっており、詳細な検討が必要であると考えられる。また、エクソソームによるマクロファージの標的化については、エクソソーム表面の修飾によってマクロファージへの結合能を向上させるよう試みた。エクソソームの表面にマンノースを化学的に架橋すると、マクロファージへのエクソソームの取り込みが向上することを見出した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(11 results)