2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J09346
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
頭師 孝拓 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | プラズマ波動 / プラズマ波動受信器 / 特定用途向け集積回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である、ディジタル・アナログ混載ワンチッププラズマ波動受信器の実現に向け、本年度は(1)ワンチッププラズマ波動観測器ディジタル部の設計及び(2)ロケット実験搭載用プラズマ波動受信器の開発・試験を行った。 (1)本研究で実現を目指すワンチッププラズマ波動受信器は、受信器に必要となるアナログ回路・ディジタル回路のほぼ全てを集積回路に搭載したものである。現在までにアナログ回路およびA/Dコンバーターの設計・検証を終えており、ディジタル回路を設計し、最終的に全ての回路を統合することが今後の目標である。本年度は受信器に必要となるディジタル回路として、周波数スペクトルを計算するための高速フーリエ変換モジュール及び受信器の制御を行うコントローラーの設計を行った。設計した回路は必要とする性能を満たすことが期待できるものであり、今後試作したチップの評価を行う予定である。 (2)極域におけるイオン流出機構の解明を目的として今後の打ち上げが予定されている、SS-520-3号機に搭載するプラズマ波動受信器の開発・試験を行った。このプラズマ波動受信器は特定用途向け集積回路(ASIC)を利用したアナログ回路を搭載しており、本研究で開発を行っているASICによる小型受信器の宇宙実証という側面も含んでいる。本年度中は、プラズマ波動受信器を開発し、また他のロケット搭載機器との噛み合わせ試験を実施した。その結果、ロケット実験のサイエンス目的に必要な性能を有しており、また打ち上げ環境にも耐えうることが確認された。観測ロケットは今後ニーオレスンでの打ち上げが予定されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はディジタル回路の設計を終えており、30年度の完成を予定しているアナログ・ディジタル混載ワンチップ受信器の開発は順調に進行している。またロケット実験について、当初は本年度中の打ち上げ予定であったが延期となってしまった。しかし本研究で開発した搭載用プラズマ波動受信器について問題のないことは確認しており、プラズマ波動受信器として当初の計画していた目標は達成していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画通りアナログ・ディジタル混載ワンチップ受信器の完成に向けて、ディジタル回路の検証及び各コンポーネントの統合を中心に進めていく予定である。また、計画にあるように開発した集積回路の放射線耐性の調査についても行う予定である。
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Research Products
(4 results)