2018 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロキャビティ構造をもつ有機電界発光素子によるレーザー発振への挑戦
Project/Area Number |
17J09357
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
土器屋 翔平 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 有機EL素子 / 有機半導体レーザー / 有機マイクロキャビティEL素子 / 励起子-光子相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,分布ブラッグ反射型(DBR)ミラーを用いた5,5'-bis(4-biphenylyl)-2,2'-bithiophene (BP2T)と5,5'-bis(4'-cyanobiphenyl-4-yl)-2,2'-Bithiophene (BP2T-CN) の真空蒸着膜からなるマイクロキャビティ構造を有する有機EL素子(Au/MoO3/BP2T/BP2T-CN/ITO/DBR)について,昨年度得られた光励起の結果に加え,電流励起下における励起子-光子の相互作用評価を行った.角度分解EL測定において下枝ポラリトンに対応するエネルギーの分散を観測し,室温で励起子ポラリトンが安定に生成していることを確認した.また,生成した励起子ポラリトンがリザーバーに留まることなく,低角側に効率よく緩和し発光していることが分かった.さらに,電流密度の増加に対して電界発光強度が超線形的に上昇ことが観測され,三重項励起子が逆項間交差を伴って励起子ポラリトンの生成に寄与している可能性があることを推察した.一方,高電流励起密度領域において,ELスペクトルが高エネルギー側にシフトしており,励起子スクリーニングにより強結合状態から弱結合状態への転移が起こったため,キャビティのQ値や活性層の膜質,キャリア注入・輸送の向上が求められる.今後,三重項励起子よる励起子ポラリトンの生成を明らかにするため,電流励下での時間分解発光測定ならびに,過渡吸収分光測定,磁気共鳴測定を行い,ポラリトンのエネルギー移動のメカニズムについて議論する. 本研究では電流励起における有機レーザー発振には至らなかったものの,TPCO誘導体が有機レーザー媒質として有用であり,面発光性の有機EL素子,さらには電流励起ポラリトンレーザーへの可能性を示しており,今後新たな有機光デバイスの開発に貢献することが期待できると考えられる.
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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