2017 Fiscal Year Annual Research Report
音響・変形制御に基づく新機能音響メタサーフェスの創成設計法の開発
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17J09476
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野口 悠暉 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 音響メタサーフェス / 均質化法 / トポロジー最適化 / 最適設計 / マルチマテリアル / 計算力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,音響制御と変形制御を同時に行うことで所望の音響特性を実現する音響メタサーフェスの設計方法の構築を目的としている.具体的な設計方法としては,構造最適化手法の中でも最も設計自由度の高いトポロジー最適化手法を導入し,音響構造連成系において所望の音響特性を示すメタサーフェスの最適構造を得るための方法論の構築を行っている. 本年度では主に,音響メタサーフェス設計問題について最適化問題の定式化に関する検討を行った.まず,音響メタサーフェスを評価する方法として高周波均質化法と呼ばれる手法の導入を検討した.高周波均質化法は,静的な場,もしくは低周波の波動現象に対してのみ有効である従来の均質化法を高周波の波動現象に拡張した方法論であり,既に先行研究では,高周波均質化法に基づき,メタマテリアルやメタサーフェスの性能が評価されている.そこで,音響構造連成系における音響メタサーフェス設計問題に先立ち,より単純な問題設定である弾性波との連成効果を考慮しない音波伝搬問題に対し,高周波均質化法を用いた音響メタマテリアルのトポロジー最適化手法を構築した. また,複数の弾性体材料と音響材料を用いる最適化問題を考えることで,単一の弾性体材料のみで構成されたメタサーフェスと比較してより高性能な音響特性を示す音響メタサーフェスの最適構造が得られると考えられる.上述の最適化問題の定式化についての検討と並行して,マルチマテリアル表現が可能なトポロジー最適化手法の音響構造連成問題への展開を行った.ベンチマーク問題である音圧最小化問題に適用し,手法の妥当性を確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
音響メタサーフェスの示す性能の評価に有用な手法である高周波均質化法に基づく最適化問題の定式化を行っており,当初予定した内容よりも学術的に高度な内容に取り組むことができた.この成果については査読付国際論文としてまとめられ,既に雑誌への掲載が決まっている.
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Strategy for Future Research Activity |
高周波均質化法に基づくトポロジー最適化手法を音響構造連成問題に展開し,音響メタサーフェス設計問題に取り掛かる予定である.所望の音響特性が得られない場合には,マルチマテリアル表現が可能なトポロジー最適化手法の導入を検討する.得られたトポロジー最適化結果に対しては数値的検証を行い,物理的な考察を行う.その上で,実験的検証も行う予定である.
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Research Products
(12 results)