2017 Fiscal Year Annual Research Report
超原子価ヨウ素を触媒とする含窒素化合物合成法の開発
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17J09627
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
新林 卓也 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 窒素活性種 / ケチミド錯体 / 分子内アミノ化 / 鉄触媒 / 含窒素複素環 |
Outline of Annual Research Achievements |
超原子価ヨウ素化合物の利用を鍵としたオキシム誘導体を前駆体として用いた効率的な含窒素複素環化合物合成法開発のためには窒素活性種に関する知見を集める必要がある.そこで,ヨウ素と同様に高配位状態を取りうる遷移金属錯体とオキシムエステルの反応を試み,金属-窒素結合を有する含窒素反応活性種に関する知見の収集を試みた. ルテニウム(II)とオキシムエステルとの化学量論反応により,ルテニウム-ケチミド錯体の単離に成功し,X線結晶構造解析および計算化学的解析により,その詳しい性質を明らかにした(Chem. Eur. J. 2017, 23, 16892).本錯体においてルテニウム-窒素-炭素のなす結合角は特異な直線構造に近く,また,ルテニウムと窒素原子との間には二重結合性があることが明らかになった.その反応性として,分子内の炭素-炭素多重結合との間でアミノクロロ化反応が協奏的に進行することも明らかにした. ルテニウムと同族の鉄を触媒として用いると窒素活性種にラジカル性を持たせることが可能になり,これを分子内のアルケン部位で捕捉し,続いて分子間で単純なアレーンとのHomolytic Aromatic Substitution (HAS)反応が起こることによって,アミノアリール化反応を達成した(Chem. Asian J. 2018, 13, 395).さらに,鉄を触媒とする反応系において,反応剤として電子不足アルケンを加えたところ,二回の環化反応が一段階で進行し,二環式生成物であるテトラヒドロピロリジンが得られることを見出した(Org. Lett. doi: 10.1021/acs.orglett.8b01073). 以上のように,含窒素反応活性種に関する知見を収集し,それを基盤とした触媒的な含窒素複素環化合物合成へと展開している.得られた知見は超原子価ヨウ素を活用した,窒素活性種の反応性制御,および合成反応への展開へと応用できると期待される.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(6 results)