2018 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的タンパク質ラベル化法を利用したタンパク質間相互作用の網羅的解析法の開発
Project/Area Number |
17J09635
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
天池 一真 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(SPD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 生細胞有機化学 / タンパク質ラベル化 / 触媒反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では細胞内におけるタンパク質間相互作用(PPI)の網羅的な解析を可能とする新規触媒的タンパク質ラベル化反応の開発を目指す。また開発した反応を用いて細胞内におけるPPIの網羅的解析法を確立し、シャペロンやキナーゼに対して適用することで、これらのタンパク質が関与する相互作用ネットワークを明らかにする。昨年度は新たな触媒的タンパク質ラベル化反応AGOX化学を見出した。本年度は見出したAGOX化学を用いてPPIの網羅的解析法の確立を目指した。 FKBP12をPPI検出のモデルタンパク質として選定し、FKBP12への触媒導入は、細胞内タンパク質修飾技術として確立されているSNAP-tagシステムを用いた。具体的にはSNAP-tagと選択的に反応するベンジルグアニンと触媒とをリンカー分子を介して連結した分子を合成し、FKBP12ーSNAP-tag融合体への触媒導入をtest tube中でおこなった。その後ラパマイシンを介してFKBP12と相互作用することが既に報告されているFRBへのラベル化の検討をおこなったが、進行しなかった。 原因として考えられるのは、AGOX化学におけるラベル化効率が、触媒とラベル化する相手との位置関係に大きく依存してしまうからである。そこでラベル化する相手との位置関係に依存しない新たな触媒的ラベル化法の開発に着手した。種々検討の結果、有機金属を用いた新たな触媒的タンパク質ラベル化法を見出した。現在は詳細な条件の最適化、およびPPIの網羅的解析法の確立をおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度見出した触媒的タンパク質ラベル化法AGOX化学を用いてタンパク質間相互作用(PPI)の網羅的解析法の確立を試みました。しかしAGOX化学は、そのタンパク質ラベル化効率が原理的に、触媒とラベル化をおこなう相手タンパク質との位置関係に大きく依存してしまいます。そのためPPI網羅的解析法への応用が困難でした。そこで、ラベル化効率がラベル化をおこなう相手タンパク質との位置関係に依存しないような、全く新たな触媒的タンパク質ラベル化法の確立を目指しました。種々検討の結果、有機金属を用いた新たな触媒系を見出しました。本系はPPI網羅的解析法への応用が大きく期待できる反応系であり、現在は分子構造の最適化、条件検討をおこなっている。また同時にPPI網羅的解析法への応用も進めている状況である。よって今年度の研究進歩状況は期待通りの進展があったと言えます。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに見出した触媒的タンパク質ラベル化法の詳細な検討をおこない、タンパク質間相互作用(PPI)の網羅的解析法の確立を目指す。
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Research Products
(2 results)