2019 Fiscal Year Annual Research Report
温度応答性高分子に結合するペプチドを基盤とする機能性ソフトマテリアルの創製
Project/Area Number |
17J09664
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 星冴 東京工業大学, 物質理工学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 水溶性高分子 / 多変量解析 / 検出 / 蛍光プローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までにペプチドに環境応答性の蛍光プローブを導入し、その蛍光変化を指標とすることで、水に溶解したポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) (PNIPAM) に対してペプチドが特異的に相互作用できることを明らかにした。本年度は、PNIPAMをはじめとする様々な水溶性高分子に対するペプチドの相互作用の情報を蛍光シグナルの変化として取り出すことで、環境中に流出した水溶性高分子を検出することを目的とした。 種々の水溶性高分子やタンパク質、不溶性高分子ナノ粒子などの様々なアナライトと蛍光プローブを導入したペプチドを混合し、蛍光スペクトルを測定した。その結果、蛍光強度や蛍光スペクトル形状がアナライトの種類によって異なり、ペプチドとアナライト間の相互作用の違いを反映した蛍光シグナルが得られることがわかった。また、異なるpH条件下でペプチドの蛍光を測定することで、ペプチドとアナライト間での複数の相互作用の情報を取り出し、各アナライトに対する多変量の蛍光シグナルのパターンを取得した。得られた多次元の蛍光シグナルの情報を多変量解析することでパターンの次元を削減した結果、結合標的であるPNIPAMに対し、他のアナライトと比較してペプチドは特徴的な蛍光パターンを示すことが統計学的に明らかとなった。すなわち、ペプチドの相互作用に基づいて標的の水溶性高分子を識別できることが示された。また、単一の高分子水溶液のみならず、複数の水溶性高分子の混合水溶液中からのPNIPAMの検出や、モデル排水サンプル中からのPNIPAMの検出にも本検出系が利用できることが明らかとなった。以上より、ペプチドが示す分子認識に基づいた相互作用が環境中の水溶性高分子の簡便かつ高精度な検出に有用であることを見出し、高分子結合性ペプチドの利用範囲を新たに拡張することに成功した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)