2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J09702
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
牙 暁瑞 九州大学, システム情報科学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | スピン波 / マイクロマグネティックス |
Outline of Annual Research Achievements |
該当年度は磁性細線におけるスピン波共鳴実験を主として行っている。スピン波導波路として一般に用いられる軟磁性体は細線状に形状を加工すると長軸方向に形状磁気異方性を示すためスピン波検出が容易なMSSWモードの伝搬には細線短軸方向に磁化を揃えるためのバイアス磁界を要する。本研究ではバイアス磁界を印加しない状態においてもMSSWモードのスピン波励起を可能にするために磁性体に4回対称性を示す結晶磁気異方性を付与することに成功し、ゼロバイアス時にMSSWモードと推察されるスピン波共鳴を観測し、その周波数が十数GHzという比較的高い値であることを確認している。さらに、スピン波励起源を細線の両端に設置してスピン波の干渉特性を評価した結果、二つの入力信号に位相差を加えると細線中央に設置した誘導検出コイルに生じる出力強度が変化することで位相比較機能や論理演算機能が実現できることを実証している。 次いで,垂直磁化膜で面内磁化膜をサンドイッチした交換結合構造薄膜では、膜厚方向に沿ったスピンの捻じれ構造が出現し、面内磁化膜部分にスピン波を局在化できることを数値解析により示した。このような構造の薄膜を微細加工したナノドットは、磁性ランダムアクセスメモリ等への応用も検討されており、基礎物理と供に応用の観点からも有用な知見が得られている。 スピン波の電圧励起現象については磁性細線の形状磁気異方性により楕円化した歳差運動によって磁化の膜面垂直方向成分に時間変化が生じ、これが垂直磁気異方性の時間変調によって増幅されてパラメトリック発振に至ることを歳差運動状態の数値解析から明らかにした。さらに,スピン波デバイスの高速動作性に係わるスピン波共鳴周波数や、省電力性に係わるスピン波励起効率に関してスピン波発生器および磁性細線の形状やサイズへの依存性を定量的に明らかにしている。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)