2019 Fiscal Year Annual Research Report
RIイメージング技術を用いたイチゴの高精度動的転流モデルの構築と栽培現場への応用
Project/Area Number |
17J09858
|
Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
三好 悠太 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子ビーム科学研究部門高崎量子応用研究所放射線生物応用研究部, 研究員 (60855724)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
|
Keywords | 放射性同位体 / RIイメージング / 光合成産物 / 転流 |
Outline of Annual Research Achievements |
農業生産において、光合成産物のソース(葉)からシンク(果実)への転流は、収穫対象器官の肥大成長や物質集積を支配し、収量や品質に直接影響を及ぼす重要な生理機能である。高収益かつ安定した農業生産の実現のためには、転流のメカニズムを明らかにし、転流プロセスを適切に制御する栽培管理技術を確立することが求めらる。本研究課題では、放射性同位元素(RI)である11Cを利用し、転流動態を非破壊かつリアルタイムで可視化できるポジトロンイメージング技術(PETIS:Positron-emitting tracer imaging system)を用いて、転流メカニズムの詳細を解明し、転流を基盤とした栽培技術の確立に資する知見を得ることを目的とする。 研究代表者は前年度までの研究でイチゴ葉に投与した11Cが果実へと転流し、特に果実表面の痩果へと集積する様子を発見した。従来の転流モデルでは、果托や痩果等を含む果実全体を光合成産物の転流におけるシンクとして捉えているが、真にシンクとしての役割を持つのは痩果であると考えられる。そこで本年度の研究では、光合成産物の転流モデルにおけるソースとシンクを定義することを目的として、イチゴ果実への光合成産物の転流に対する痩果の影響について検討した。PETISを用いて、同一果実の痩果有無時の転流動態を比較したところ、痩果を除去することで果実への11C転流速度が46.7%に抑制されていた。果実全体に対する痩果の乾物重割合は16.1%であり、果実の中でも痩果のシンク強度が特に大きく、果実への光合成産物の転流が痩果によって駆動されていることが示唆された。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)