2019 Fiscal Year Annual Research Report
イヌ組織球性肉腫に対するAIMのアポトーシス促進機構の解明と治療への応用
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17J09962
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
内田 萌菜 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 組織球性肉腫 / AIM / SNP / アポトーシス耐性 / 増殖促進 / 生存期間の短縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度組織球性肉腫症例において多く認められた2種類のAIMのSNPについて、その機能探索を行なった。 組織球性肉腫細胞株であるDH82に内因性に存在するAIMをCRISPR-Cas9システムによりノックアウトし、レトロウイルスを用いてSNPを有するAIMを強制発現させた。作出した細胞株をRNA次世代シーケンスを用いて発現解析を行なった。その結果、SNPを有することで細胞生存や増殖、運動性に関わる遺伝子の発現が亢進していることが明らかになった。作出した細胞株の機能をin vitroで検討したところ、AIMのSNPはミトコンドリアを介したアポトーシス刺激に対する生存率の上昇、高い増殖活性の維持、細胞遊走能の亢進をもたらしていることが明らかとなった。 つづいて、生存期間のわかっている組織球性肉腫症例についてDNAを抽出し、シーケンスを実施した。すると、播種性組織球性肉腫症例において、SNPを有する症例で全生存期間が短縮する傾向にあった。さらに、昨年度免疫組織化学を実施した症例について組織よりDNAを抽出し、シーケンスを実施し、染色強度と生存期間との関係を検討した。すると、変異を有する症例においては染色強度の高い症例ほど全生存期間が短縮する傾向にあることが明らかとなった。このことから、生存期間にはSNPの保有だけではなく発現強度が影響すると考えられた。 以上の結果より、組織球性肉腫症例ではSNPを保有することで何らかの原因で発生した腫瘍細胞が生存・増殖し、腫瘤を形成すること、また、腫瘍化した細胞がAIMを強く発現した場合、高い遊走能やアポトーシス耐性により生存期間の短縮につながっていると考えられた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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