2019 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイムバイオイメージングによるファイトプラズマの媒介昆虫細胞侵入機構の解明
Project/Area Number |
17J09974
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鯉沼 宏章 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | ファイトプラズマ / 媒介昆虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ファイトプラズマの膜タンパク質と結合する宿主レセプターの同定、および昆虫細胞の高精細リアルタイムバイオイメージングに基づいた、ファイトプラズマの媒介昆虫細胞侵入機構を明らかにすることを目的としている。 本年度は、媒介昆虫におけるファイトプラズマの高精細バイオイメージングを行う目的で、ファイトプラズマの細胞膜表面を覆う膜タンパク質Ampに対する抗体を用いて、媒介昆虫の消化管および唾腺をホールマウント(whole mount)で免疫染色し、共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察した。その結果、ヨコバイに感染したファイトプラズマを可視化することに成功し、経時的な観察によりファイトプラズマが昆虫の消化管や唾腺に感染して広がる様子を明らかにした。さらに、臓器内部の分布を三次元的に可視化することで、臓器内部における局在変動を詳細に捉え、ファイトプラズマが感染する組織に偏りがあることを明らかにし、主要な侵入・増殖部位や移行時期を特定した。また、リアルタイムPCRにより消化管や唾腺における蓄積量を経時的に定量することで、ファイトプラズマの増殖時期や増殖量を詳細に解明した。これらの解析をもとに、ファイトプラズマの詳細な全身感染モデルを構築することに初めて成功した。 ファイトプラズマの他にも昆虫に全身感染して媒介される植物病原細菌は知られているものの、詳細な全身感染モデルは不明であることから、本研究で構築したモデルはこれらの病原細菌にも適用することができ、昆虫媒介性の病原細菌に共通する基盤的成果だと考えられる。また、昆虫による植物病原細菌の媒介メカニズムはこれまでほとんど分かっていないが、本研究によりファイトプラズマが昆虫に侵入・増殖・移行する際の時期や場所を特定できたことから、今後、媒介メカニズムを分子レベルで詳細に解明するうえで重要な足がかりになると考えられる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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