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2017 Fiscal Year Annual Research Report

植物有用メロテルペノイドの生合成メカニズム解明から物質生産へ

Research Project

Project/Area Number 17J10178
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

飯島 未宇  富山大学, 大学院医学薬学教育部, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2017-04-26 – 2019-03-31
Keywords植物メロテルペノイド / 抗HIV / 二次代謝 / 生合成
Outline of Annual Research Achievements

エゾムラサキツツジ(Rhododendron dauricum)はツツジ科に属する落葉低木で、北海道やアジア東北部に分布している。近年の研究から、本植物が生産するメロテルペノイドの一種ダウリクロメン酸(DCA)は極めて強力な抗HIV活性を示すことが証明されており医薬品原料としての期待が高まっている。私はDCA synthase遺伝子を初めてクローン化し、組み換え酵素を用いた生化学的解析により本酵素が大麻(Cannabis sativa)のカンナビノイド合成酵素に類似したFAD oxidaseであることを明らかにした。本成果については本年度国際誌に印刷公表した。
本研究はDCA synthase及びカンナビノイド合成酵素という医薬資源を生合成するメロテルペノイド合成酵素について結晶構造解析による構造機能の解明を目的とする。本年度は先ず、酵素-基質の結合様式解明に必要な活性中心リガンドを合成した。これらは各酵素の基質グリフォリン酸及びカンナビゲロール酸のプレニル基二重結合を接触還元したものであり、酵素との親和性を保ちつつ反応性が低下するよう設計した。
次に結晶化に向けた試料調製のためDCA synthase及び二種のカンナビノイド合成酵素についてメチロトロフ酵母及びタバコ培養細胞BY-2を宿主として発現を検討した。この結果BY-2を発現宿主としたときに高レベルでの分泌発現を確認し、培養上清をハイドロキシアパタイトおよびCM-トヨパールカラムに付すことで各酵素4~5mg/Lレベルの精製標品を得ることに成功した。一方酵母発現系での発現量は低かったものの、精製酵素のEndo H処理により結晶化の妨げとなる糖鎖を含まないサンプルを得ることに成功した。現在、精製した3種の各組み換え酵素についてcrystal screen試薬を用いて最適な結晶化条件を検討している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度は研究主題とするメロテルペノイド生合成酵素の一つであるダウリクロメン酸合成酵素について、その遺伝子同定から酵素化学的性質に関する研究論文、さらにダウリクロメン酸の植物における生理的意義について考察した報文を印刷公表するに至っている。本研究計画に関してはメロテルペノイド合成酵素の結晶構造解析が主たる目的であるが、本年度はその基盤となる組換え酵素の発現システムについてメチロトロフ酵母および植物培養細胞という異なる宿主を用いて各種検討を行った。このうち植物培養細胞は構造生物学の分野であまり用いられることのないシステムであったものの、ダウリクロメン酸合成酵素およびカンナビノイド合成酵素のいずれも大量発現が可能であることを確認し、これらを電気泳動上単一に精製するスキームを確立した。
以上の基礎的な研究に時間を要したため現時点での進捗は遅れているものの、結晶解析に向けて十分量の酵素サンプルが得られており、平成30年度は効率的に研究を推進する。

Strategy for Future Research Activity

現在までにDCA synthase及び二種のカンナビノイド合成酵素について、発現、精製システムを確立し結晶解析に向けた材料確保に成功した。今後は精製した三種の各組み換え酵素についてcrystal screen試薬を用いて最適な結晶化条件を検討しつつ、上記還元型基質アナログをソーキングすることにより、リガンドを含有した DCA synthase およびカンナビノイド合成酵素の結晶を調製する。次いで大型放射光施設でX線回折像を取得し、既知FADオキシダーゼを鋳型とした分子置換法により位相を決定することで分子モデルを構築する。これらの構造生物学的研究は、豊富な経験を有する本学和漢医薬学総合研究所の森田洋行教授の指導の下行う計画である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2018 2017

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Daurichromenic acid and grifolic acid: Phutotoxic meroterpenoids that induce cell death in cell culture of their producer Rhododendron dauricum2018

    • Author(s)
      Taura F, Iijima M, Kurosaki F
    • Journal Title

      Plant Signaling &Behavior

      Volume: 13 Pages: e1422463

    • DOI

      10.1080/15592324.2017.1422463

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Identification and characterization of daurichromenic acid synthase active in anti-HIV biosynthesis2017

    • Author(s)
      Iijima M, Munakata R, Takahashi H, Kenmoku H, Nakagawa R, Kodama T, Asakawa Y, Abe I, Yazaki K, Kurosaki F, Taura F
    • Journal Title

      Plant Physiolosy

      Volume: 174 Pages: 2213-2230

    • DOI

      10.1104/pp.17.00586

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Combinatorial biosynthesis of (+)-daurichromenic acid and its halogenated analogue2017

    • Author(s)
      Okada M, Saito K, Wong CP, Li C, Wang D, Iijima M, Taura F, Kurosaki F, Awakawa T, Abe I
    • Journal Title

      Organic Letters

      Volume: 19 Pages: 3183-3186

    • DOI

      10.1021/acs.orglett.7b01288.

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] エゾムラサキツツジ由来オルセリン酸生合成に関与する新規Ⅲ型PKSの機能解析2017

    • Author(s)
      飯島未宇
    • Organizer
      第35回日本植物細胞分子生物学会大会 (さいたま)大会
  • [Presentation] エゾムラサキツツジのダウリクロメン酸生合成に関与するプレニル転移酵素2017

    • Author(s)
      佐伯春奈, 飯島未宇, 黒崎文也, 田浦太志
    • Organizer
      第35回日本植物細胞分子生物学会大会 (さいたま)大会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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